中国がまもなく春節の長期休暇に入る。それに伴い、中国人の国内外での大移動が起こる。それに合わせるようにしてのコロナ・ウイルスの流行の兆し。すでに死者も出ていることもあり、どこまで自由を制限すべきかに注目が集まってきた。
すでに武漢市では交通などがシャットアウトされたようだが、ちょっと時すでに遅しの感もある。市から出たい人はすでに出てしまっていることだろう。そうした背景もあって昨日のアジア株や欧州株は軟調な地合いになった。
それに歩調を合わせるように米国株も大きく値を下げて始まった。最近の傾向として、どうせすぐに根拠のない楽観論が台頭してくるだろうと見えたが、問題は押し目の安値がどこまでなのかである。さすがに安値攻めしているうちはリスクテークできないからである。
ドル円とユーロ円もまったく重たい展開となった。109円台の中盤まで下がってきて、そのまま戻しを作らずに欧州時間入りした。ニューヨークオープンからはますますリスク回避のスタンスが強まってきて、ドル円は109円台の前半まで落ちてきた。
そこへもってきてWHOが中国の現状を、非常事態宣言を出すには時期尚早だと判断した。これが契機となって米国株は反発に向かい、大幅安からプラス転するまでに買い戻された。そして再び史上最高値を視野に入れている。
ドル円もリバウンドしたが、109円台のミドルまでがせいぜい。WHOのアクションに対して急激に反応したのは株価だけであって、ドル金利などは下がったままなのである。それがドルの買い戻しに勢いのつかない理由であろう。
中国は大型連休に入るので、アジア時間ではマーケットは様子見が続くだろう。海外市場ではセンチメント系の指標が次々と出てくる。ドイツに始まり、イギリス、続いてアメリカである。
米中の貿易戦争が一服して、景況感が気になるところでもある。中国が休みとなるので、中国国内の状況は憶測のみでの反応となる。憶測もふくめ、観測記事などの出方に注意を払う必要があろう。
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