ウイルス対策のための補正予算が本予算が通ってからの後回しになったのは、通常の国会運営をそのまま踏襲したからである。本予算で経済対策も盛り込めばいいのだが、それだと政府提案の本予算の金額も違ってくるし、成立時期も後ズレする。だから国民の生活を後回しにされたと言えなくもない。
今日で日本は年度末最終日である。トレードを淡々とやっている分には年度が古いかどうかは関係ないのだが、今年はコロナウイルスの感染もあって、ちょっと微妙な情勢だ。年度末を待って何が出てくるのかというと、それは先般、法律になった非常事態宣言である。
もしも非常事態であるならば、もっと早く出すべきであろう。そうしないと国民の生命は守れない。また安倍首相も早期に発動したいはずで、これは東北震災のときの菅首相が原発を訪問して非難されたことの裏返しである。やるべき事をやらないと国民の批判を浴びるのをことのほか嫌う首相なので、すぐにでも宣言を出したいはずだ。
しかし年度末ではGPIFの保有資産の評価の問題が控えている。アベノミクスの一環としょうして株券の保有比率を大きく上げてしまっている。ただでさえ17兆円とかの損失がでて国会で攻められそうなのに、いま宣言を出すと32兆円の損とかなどにもなってしまいかねない。
今日の31日、東京市場が終了してからが危ない。夕方の18時とかに非常事態宣言が出されたら、それは実に政治的なタイミングだったということになる。それはマーケットに大きな失望を与えそうである。政府はいったい国民の生命と財産を守っているのかと。
マーケット的に問題になるのは、もしも緊急非常事態が宣言されたら、ドル円はどっちに行くのかということ。株価が下がったからと言って、不用意にリスク回避だと考えてショートでついて行こうするのは危険だ。
日本の大都市がシャットダウンしてニューヨークやパリのようにゴーストタウンのようになるのかもしれないと考えると、先週までに起こっていたようなドル資金を手元に厚く置いておこうという動きに出るかもしれないからだ。
それでも伸びきったところは、ドル売りなのだろう。目安としては110円アッパーだと言いたいところだが、それでも耐えられない可能性もあるので、まずはスモールずつでショートメークしていくことだ。本格的にショートポジションを作っていくのは、やはり下げ傾向がハッキリとしてきてからということになる。これは先週からのドル円の攻め方と同じである。
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