ドル円の動きがリスク相場の動きに連動しにくくなったのは、あくまでもドル資金の手当てのためという需給の側面からであった。だからコロナウイルスで米国株が急落している局面でもドル円が111円台まで上がってしまったわけだ。
そこで最近の米国株の復調で、今度は逆方向の動きが期待できるものと見ている。過剰なまでのドル需要がなくなれば、まず先にドルの価値のレギュラライズが考えられるからである。
ドルの価値を決める一つの重要な要因のひとつにドル金利がある。いうまでもなくドルの短期金利はゼロで、過去最低。長期金利も10年ものでずっと1%を下回っており、しかも当面は上がる気配がない。そうなってくるとリーマンショック後の激しい金融緩和のときと同じように、ドルの価値は低下に向かうものと思われる。
ドル円は今年に入って101円台まで突っ込んで、その後のドル資金手当で111円台まで戻した。10円上がったのだから、そのちょうど半値が106円台ということになる。だから107円台というのはサポートとしてワークするのかどうか、たいへん注目されるレベルなのである。
昨日のドル円の始まりは107円台の後半であった。これで108円台に戻されるのか、それとも107円ちょうどの方向へ下げてくるのか。それが注目点であったわけだが、私は朝から売ってみた。
日本株がたいへん強かったのでリスク面からはとても持ち心地は良くなかったのだが、リスク以上にドルを手放す必要もあるのではないかという考えから、損切りがつかないことだけを祈った。
コロナウイルスの感染については、世の中はだいぶ楽観的になってきているのも事実だ。アメリカの東部の複数の州で平常化の相談も始まったと言うし、トランプ大統領の発言にも深刻さがなくなってきた。不安からドル買いに走っていたプレーヤーのドルロングは徐々に掃かれてもいいはずだ。
ニューヨーク序盤になってドル円は軟化してきた。結局は106円台に突入したのだが、その前に私は利食いを107.20で設定してあったので、早々にポジションはなくなってしまっている。今晩も経済指標や企業決算がたくさん出てくるが、基本はドル円の売り攻めを敢行したいと考えている。
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