昨日はドル円が狭いレンジ内にスタックし、105円台の前半でのみの動きとなった。ユーロドルは最近の流れに乗って欧州時間では安値攻めをして1.1627まで安値をつけたが、ニューヨーク時間ではユーロの買い戻しが優勢となった。
リスクの象徴である米国株は、景気対策の法案の動向で振らされた。ムニューチン財務長官がロペシ下院議長と話し合うと報じられると簡単にリスクテークとなったが、一方で民主党の提案する予算の総額が大きいことがわかると合意は遠いということでリスクオフに転じた。
追加刺激策がまとまるのは、大統領選後までズレ込むかもしれないという見方も強い。最高裁の欠員人事を選挙前に強行しようとするトランプ政権側の姿勢が強まれば強まるほど、民主党サイドの抵抗が強まることが予想されるからだ。
ところで昨日はトルコ中銀が200ベーシスポイントの利上げを行った。これは世界的な金融緩和の流れの中でも反対を行く決定であった。そもそも昨年からトルコ・リラ安が進んでおり、対ドルでは特に顕著。すでに30%以上も通貨安が進んでいる状況であった。
もっと早期に通貨防衛としょうして利上げをしてもよかったはずなのに、それでは国内景気が冷え込むということでエルドアン政権が断固として拒否してきたことなのだ。それがコロナ感染の世界的な拡大に支えられて、トルコも利下げを開始することとなったのである。
地中海で欧州との紛糾が目立ってきて、欧州から経済制裁を受けるかもしれない自体に立ち至った。通貨安に歯止めがかからないのを放っておけなくなって、今回の大幅利上げに踏み切ったものであろう。
しかし市場の観測ではトルコリラの持ち直しは一時的なものに過ぎないという見方が強い。でも今回、利上げしなかったら強烈なトルコ安になっていただろうことを考えると、利上げはいちおうの成功を収めているとも言える。
日本時間 15時00分
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