アメリカの雇用統計では、就業者数の伸びが期待ほど大きくはなかった。これはコロナ感染の再拡大も一因なのかもしれない。それによって飲食業の現場などでの一時解雇が進んだものだろう。
データが発表された直後は確かに株売り、ドル売りの素直な反応を見せたのだが、次第にマーケットのリスク許容度の回復が現われてきた。雇用重視の立場からは支援策の必要性が再認識され、それが追加景気対策の合意を促進すると考え直されたからだ。米国株は反転し、主要3指数はすべて史上最高値を更新してきた。
ドル金利がやや上昇基調となり、それまでドル売り圧力の強かった為替相場もようやくドルの買い戻しに転じた。ユーロドルもてっぺんから離れてきたとはいえ、それでも依然として1.21台にステイしている。
今週もドル安方向に市場の関心が集まるのは、先週と変わりはない。どこまで行くのか、またどこまで市場は容認するのかを見極めないと、今回のドル安の流れは止まらなさそうだ。
今週の注目点は日本のボーナス支給の集中日に合わせた投信設定による株高である。ここがトップになる可能性が高いからである。またECBの理事会も木曜日にある。すでにラガルド総裁は追加緩和をすると明言しているので、買い入れ資産の増額などは織り込み済みのものとなっている。
あまり目立った緩和策が出てこないと、ユーロ高にいっそうの弾みが出てくるかもしれない。そして11月相場を支えてきたワクチン接種がいよいよ始まる。実際に多くの人に届くようになるまではかなりの時間を要するとも考えられ、これはリスク回避要因となる。
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