インフレ状況が気になるところであるが、昨日はアメリカのCPIが出た。CPI本体もコア部分もともに事前の予想を上回ったが、長期金利の上昇とはならなかった。
それはニューヨークオープン前にFDAとCDCがJ&Jのワクチンの一時的な使用中止を求めたからである。これが少なからず経済回復へのペースダウンとみなされ、リスク回避的に質への逃避が起こったものと思われる。長期金利の低下は米国株には安心感を与えたようだ。米国株は緩い速度ではあるが上昇基調を強め、史上最高値を更新した。
クロス円はモロにリスク動向に左右された。ワクチンの停止問題でユーロ円は130円の大台割れを喫したが、米国株の上昇とともに値を戻してきて130円台を回復。長期金利の低下だと言うことで、ドル相場は全面安の展開となった。ドル円は109円割れを狙ったが果たせず。しかし安値引けをしている。
さて今日から米企業決算が本格化する。まずは大手金融がいくつか決算発表をする。ニューヨーク序盤はそれが話題となるが、コアタイムではやはり長期金利の行方が問題となるであろう。ワクチンが不如意であったのは想定の範囲内とも言える。
となると再び金利上昇が顕著になってくる可能性も高い。そうなると昨日は下がったはずのドル相場の巻き返しが起こるかもしれない。米債市場をにらみながらのオペレーションが続くことになる。逆にいうと安直にドルの突っ込み売りはしたくはない状況である。
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