マーケットからインフレ懸念が薄らいできて、ドル相場もあまりダイナミックな動きを見せなくなってきた。ドルの金融政策は変わらないだろうという見方が大勢を占めてきたからだ。ドル円もユーロドルも30ポイントも動きが取れればいいという相場展開が先週の後半も続いた。
しかしFRBの金融政策の変換、すなわちタイトニングへの移行は、単なる時間の問題に過ぎないように見える。FEDの予想によると2022年には1回目の利上げが見込まれている。
だとしたら、その前にはテイパリングは開始しておかないといけない。だとするといつ頃がテイパリングの開始になるのか。今はテイパリングの議論を始めることとのタイミングが問題とされているが、そんなに時間は残されていないように思える。
為替相場が膠着感を見せている中、株価や債券相場も狭いレンジ内の取引でおさまりつつある。FOMCなどの大きな材料が出尽くしたというのも一つの理由だが、東京オリンピックも含めて欧米ではすでにサマーバカンスへの動きが前倒しで起こっているのかもしれない。何分にもコロナ感染で外出や外食、イベントを極度に押さえ込まれてきた後だから。
今週も週後半の雇用データに注目が集まるが、それまでは様子見となる。欧米の株価が市場最高値の付近にいるので、その挙動に注意を払う必要がある。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)