中川前財務・金融担当大臣の醜態は
為替に影響を及ぼしたのか？

■全世界に醜態をさらした衝撃の記者会見

 G7終了後の記者会見にへべれけ（？）で臨み、全世界に醜態をさらした中川昭一前財務・金融担当大臣。

 共同宣言みたいなものが出ました。
 な、なに？ もう一度言って。
 あのぅ～、ふぅ～～～。
 じぃー、にじゅうー。
 どこだー？

 正直言って、あの映像はかなり面白い。思わず笑ってしまう。

 しかし、非常に恐ろしくも感じる。今は世界的に「100年に一度」とも言われる金融危機、経済危機にある。その認識を、世界第2位の経済大国である日本の財務・金融のトップはまるで持っていなかったと白状しているようなものだからだ。もう、本当に…

 ニホン、オワッタ。

 という感じである（…と記者は思った）。

■為替のご意見番・松田哲さんの見解は？

 そこでここは一つ、為替のご意見番であり、ザイＦＸ！でもおなじみの松田哲さんにご意見をうかがってみた。

 「ボクのコラム『ＦＸ一刀両断！』じゃないけど、『喝！』ですよ。ふざけるなと。

 日本の財務大臣はああいう場に酩酊状態で出てきて構わないのかと。世界中をバカにするな！ という感じですね。

 二世議員はみんな甘ちゃんだと思います。脇が甘いですよね。白川さん（日銀総裁）がいるんだから、体調不良を理由に記者会見は断われなかったんでしょうか。あるいは医者がストップをかけたりはできなかったんでしょうか」

 “中川酩酊会見問題”は為替に影響を及ぼしたのか？

■中川問題で1円程度は円が売られた

 「影響はあったと思います。あんな記者会見をしなければ、もっと円高だったと思いますよ。

 日本を知らない人たちから見れば、『こんな人が財務大臣をやってる日本という国はダメなんじゃないか』ということで、円売りが出たと思います。

 あれによって、ドル/円は1円か1円弱は円安方向に動いたんじゃないでしょうか」

 すると、今後もドル/円は円安方向に動くのか？

（リアルタイムチャートはこちら → FXチャート＆レート：米ドル/円 1時間足）

■大きな、大きな流れは円高方向で変わらない

 「いや、そうではないでしょう。円安に動いたといっても、それは一時的なもの。

 アメリカ経済と日本経済はどっちが悪いか。今、世界経済が大不況に陥っている元々の原因を作ったのはアメリカですし、サブプライムローン絡みでいまだに隠し持っている損失もアメリカの方が明らかに大きい。そして、それは莫大な額にのぼります。

 だから、ドル/円の大きな、大きな流れはまだ円高方向で変わらないと思いますよ」

（ザイＦＸ！編集部・井口稔）