昨日はニューヨーク序盤でドル金利が上昇した。足下の物価高も反映しているが、すでに来年までに50ベーシスの利上げ分を織り込んでしまっているほどの金利上昇となっている。現実の取引されている相場でそうであるのに、いまだにエコノミストや評論家などからは利上げ時期がどうなるかの問題しか提議されていない。
なんだか悠長な態度にしびれを切らしているのが、市場の催促につながっている可能性が高いようである。ドル金利はニューヨーク時間を通じて上がり続け、長期金利で10年ものの利回りは1.70%台に乗せてきている。
米国株はそれほども金利上昇を嫌気していないようだ。ダウ平均もS&P先物も史上最高値にあと数ポイントのところまで急接近している。しかしその少しの値幅が更新できないでいる。ここ1週間で大きく上昇してきた動きの値幅に比べると、いかにも足踏みをしている。それだけ上値抵抗戦としてのテクニカルポイントとして、強くワークしている証拠であろう。
ドル金利の上昇に引きずられて、ドルは全面高になるものと思われた。しかし実際には中国の不動産問題や原材料価格の高騰による不安がリスク回避の行動を促したようで、ドル円もユーロ円も下落に転じた。ユーロ円が133円台を割り込んでくると、リスク回避だということでドル円も下げる。
そうしたことの繰り返しで、ドル円は113円台の中盤まで調整を余儀なくされた。しかし基本的なドルの上昇トレンドには変わりがないので、つまり外部要因のファンダメンタルズは何一つ変わっていないので、ドル円もユーロ円もニューヨーク終盤に向けてやや持ち直した。
今晩はドイツ、イギリス、アメリカの景況感が出る。コロナ感染からの制限も解除の具起きが明確になってきて、いまさら景況感を確かめる必要性は少なくなってきているのだが、それがドル金利に与える影響をもっと見たいというところであろう。
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