世界的な金融政策のタイトニングの流れが明確になってくるにつれて、米ドル金利も無縁ではいられない。とくにアメリカは今週にFOMCを控えており、少なくともその場では量的緩和の縮小が表明されることが確実視されている。そこで次の注目点は利上げの開始時期となるわけだが、これもだいぶ前倒しの姿勢が強まってきている。
コロナ感染拡大の途上では米金融当局も2023年末まで利上げをしないと明言しないと明言していたが、実際の短期金利の市場では2022年の終わりまでに50ベーシスポイントの利上げを織り込んでしまっている。現在のドル短期金利のベンチマークはドルLIBORの来年9月ものだが、それが99.80レベルだったものが、この2ヶ月で99.30まで値下がりしている。
ドル金利の上昇は為替相場では素直にドル高になって反映された。ドル円は113円台の中盤から114円台のせにまで至っている。もっと力強くドルが上昇したのは対ユーロだろう。前日のラガルド発言によるハトは的な見方と、ドル金利上昇への期待が相乗効果となった。
ユーロドルは激しく落ちて、1.15台の中盤まで押し込まれた。私もユーロドルが1.15台に突入してきてからユーロドルのショート参戦をしたのだが、それでもあまり不安なく買い戻すこともできて、またユーロ売りするステージ探しに徹した。
将来の短期金利の水準予想は不確定な部分が多いので、ドルの短期金利先物の日々の値幅は大きくなっている。また現在の株価が史上最高値圏にいることも、ドルの短期金利の押し上げ要因ともなっている。
すでにテイパリングの開始については関心はなくなっているので、FOMCでの期待は利上げ時期に関する言及に集まる。それまではドル相場もコアレンジをキープしながらも、その狭いレンジ内でチョッピーな動きを見せることになるかもしれない。
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