昨日は東京時間の昼過ぎに、補正予算の規模が発表された。当初は40兆円をちょっとでも越えてくればいいだろうと思われていたが、実際は55兆円規模となって、やや驚き。もちろん全部が全部、国費の支出を伴う真水部分ではないのだろうが、ニュースのトップラインとしてはサプライズを与える形となった。それまで29300円台まで沈んでいた日経先物が、29700円台まで吹き上がったのだ。とりあえず市場は好感したといえよう。
ドル円も前日の下げによって113円台をウロウロしていたのだが、リスクテークの勢いに乗って114円台のせが定着してきた。ドル円をどこかで買っておこうと思っていた人の、買い意欲を満たすには絶好の買い場に見えたのだろう。しかるにユーロ円も小じっかり。
しかし欧州でのコロナ感染の拡大や、世界に拡がる物価高は楽観視を許さない模様だ。ドイツやフランスの株価は過去最高値を記録はするものの、伸びの幅が実に小さい。ニューヨーク時間では米国株が売り先行で始まった者だから、マーケット全体がリスク回避に傾いた。それでもドル円やユーロ円は終日にわたって堅調さを維持できた。あまり目立って上がらなかったかわりに、大崩れすることもなかった。
今晩は大きなイベントがない。すでにアメリカでは感謝祭モードに入ってしまっているので、小売業の好調さを課題に期待している。とはいっても、これは例年と同じことだ。問題は足下の物価上昇にも関わらず、消費意欲が減退していないのかどうかである。
株価では高値警戒感が出てくるゾーンでもあり、またドル円の114円台もレンジの上限だと見なされていて、容易に上方向に跳ねる必然性がない。テクニカル的にもますます上値が重たくなってくることが想像できるだけに、114円台にミドルアッパーは売りゾーンとなる。
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