昨日は日本がお休みだったが、海外市場ではマーケットを動かす注目材料がいろいろと出た。まずはインフレ懸念の元凶である石油についてだ。アメリカが日本・韓国・インド・中国・イギリスに持ちかけていた国家保有の戦略備蓄の放出である。そもそもある程度の放出が成されるであろうことを織り込む形で、原油価格は85ドル台から10ドル以上の調整がなされてきた。
そこで出てきたのがアメリカの放出分が5000万バレルということであった。ニューヨーク序盤に発表されたのだが、これは価格を押さえ込むには少ない放出量である。それを反映して原油相場は急上昇。価格下落に関する悪材料は出尽くしたということである。
それにともなってドル金利は一段高。インフレ対策が十分でないと見た筋からの投機的な動きもあるのだが、やはりパウエル議長の再任において、バイデン大統領がインフレ撲滅も要求したことが大いに支えとなっている。ドル金利の上昇に関して妨げる必要性が少なくなってきたからだ。それにともなってドル相場は再び上昇。ドル円は115円台に乗せて一日を終えて終了。
そもそもドル円はアジア時間で115円台に到達していた。3時間以上も115円台でステイしていた後に114円台のミドルまで押し込まれたので、完全に上値近辺でシコリを築いてしまったものと思われた。つまりそう簡単には再び115円台に乗せることはないとみられても仕方のない状況であった。
それがドル金利の上昇とともにニューヨーク時間で115円台まで戻してきたのは、ちょっと驚きでもあった。私自身は休日を決め込んでいたのでノーディール政策を採っていたのだが、手を出していたら戻ってくる途中の114円台の後半でショートに振っていたことだろう。
またトルコリラも急落している。先日の市場の声を聞かない大幅利下げでドルトルコは10を越えてきただけでもひどいと思って居たのに、昨日は13台まで上がってしまっている。エルドアン大統領が通貨安競争を容認するような発言をしたからでもある。ともかくも今年の残りの1ヶ月あまりも、各国の金利動向に要注意であるのは変わりがない。
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