昨日は世界的にリスクテークが強まった。そもそも株価などが相当に下がってきており値ごろ感が出てきていたことに加えて、今週に入って何度も押し込んでいるのに大きく底割れはしなかったからであろう。材料としては目立ったものはない。ファイザー社が現在のワクチンでも新種株にある程度、有効なのではないかとの見解を表明したことが市場の安心感につながっていたようだ。
米国株の上昇具合に比べると、ドル円の値の戻し方は緩慢だった。確かに112円台を出し的はしたものの、力強さに欠ける。激しくショートカバーするといった感じではなかった。ドル金利は上昇に向かったが、こちらのほうにはあまり反応しなかった。私もドル円を113円台に入ってきてからロングにして攻めてみたりしたのだが、さっぱりだった。
今晩はアメリカの雇用統計である。予想では就業者数が50万から70万人の増加が見込まれている。先日の民間調査の結果もかんがみると、やや予想よりも良い数字が出てくることが期待されている。
しかし雇用統計が注目される最大の理由がFEDの金融政策の決定にあるのだが、その議長が金融政策の転換を表明した後だけあって、それ以上に大きい材料になるとは思われない。いまさらインフレ懸念を無視して緩和継続というのはありえないからだ。よって結果が悪くても市場の反応は限られたものとなるだろう。
注意しないといけないのは雇用状況が良すぎる場合である。そうなるとテイパリングの加速は無論のこと、来年の早期利上げ論まで噴出してくるだろう。そうなるとドル金利は再上昇し、ドル相場の上昇をもたらすことになりそうだ。コロナの新種株への心配もあるのだが、FEDの金融政策のほうがマーケットをリードするだろう。
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