去年は財政出動がグローバルなテーマだったが、今年は反対に財政緊縮がテーマになっている。
連休中もすっかりギリシア問題が話題の中心となってしまったようだ。私もファンタルズからみてもユーロについては基本的にずっと売り目には見ている。そこで今週もちょこちょことユーロドルのショートで手を出してはいた。しかしなにしろすでにかなり安くなっているため、ショートポジションを作っても、マーケットがショートに傾いている。ひょんなことでカバーが入ると怖そうだ。結果的に、水曜日の朝までは10ポイントも利食いができたら御の字というパターンが続いていた。
それでも大きなロスも出さずに済んだのは、それだけユーロの売り圧力が大きいということなのだろう。4日のニューヨークでユーロドルは1.29台にまで到達したが、大きな投げ売りのストップ注文があるとウワサされていた割にはすぐに戻ってきた。一回目の下値トライは完全な失敗。多くの参加者も一斉にショートメークしているようで、しばらくは下がろうともしなかった。
崩れ出したのは5日アジア時間の早朝になってからだ。ただ東京勢が不在のなかでの差し込みであるだけに、まともなビッド(買いオーダー)もない。1.29台の前半までいって安値圏で張り付き。欧州市場ではポルトガルの格下げの話しも伝わってくると、ユーロドルは1.28ちょうど付近まで売られた。ドル円もテクニカルポイントである95.10付近を前に反落して、ニューヨーク市場の午後には93円台ミドルまで下落していた。
ギリシャでは歳出削減に反対するデモでついに死者が出るなど、血みどろの様相となってきている。メルケル首相が「ギリシャ支援が失敗すると欧州の未来が脅かされる」と発言したように、深刻化すればユーロの崩壊にすらつながりかねない。下値のターゲットとしては、まずは金融危機の時の押し目である1.2326だ。
そして思い起こせば2005年、フランスやオランダが欧州憲法の批准を国民投票で反対された後にズルズルと値を下げていき、ユーロドルは1.1640の安値をつけた。これがその次のターゲットになる。この時は前年末から人民元の引き上げ観測がしばしば出ていて、実際に切り上げが行われた年である。なんだか今年も同じ展開になっている感じ。
今晩はECBの金利会合が予定されているが、みなの関心はギリシャ以外の財政の脆弱な国への波及度合いだけである。アメリカの指標もあまり重要視されないだろう。ただし短期的にはリスク回避一方へかなり振られている。明日の雇用統計への期待からの株高にともなって、リスク回避のムードが和らげば、クロス円、ドル円の反発を狙えるかもしれない。とくにニューヨーククローズの株価動向は要ウォッチである。
日本時間 19時00分
今晩はECBの金利会合が予定されているが、みなの関心はギリシャ以外の財政の脆弱な国への波及度合いだけである。アメリカの指標もあまり重要視されないだろう。ただし短期的にはリスク回避一方へかなり振られている。明日の雇用統計への期待からの株高にともなって、リスク回避のムードが和らげば、クロス円、ドル円の反発を狙えるかもしれない。とくにニューヨーククローズの株価動向は要ウォッチである。
日本時間 19時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)