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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

グーグルの決算で冷や水。
ドル円はレンジブレークなるか!?

2010年04月16日(金)19:42公開 (2010年04月16日(金)19:42更新)
持田有紀子

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 昨日の東京時間のランチタイム、中国のGDPは良かった。しかし前日のニューヨーク時間に怪しげなリークですでにマーケットに流れていた。今更驚かないという感じで、織り込み済みとなっていたため、為替相場も方向感に欠ける展開。ドル円は93円前半、ユーロ円は121円台ミドルの緩い動きだ。経済イベントが目白押しであったため、このままイベントまでは何もできないかと思っていたのに、いきなり欧州がはじまる頃、円買いがはじまった。
クロス円が下落してきたのだ。ついにリスク回避の動きが出てきたかと、リスクの動きに敏感なクロス円で、回避の時には下落しやすいユーロ円で勝負せねば!私は前日のニューヨーク市場の安値126.68を下回ったところで成行きでユーロ円を売ってみた。出来は126.79だ。調べたら中国が富裕層向けの金融引き締めを図ったらしい。出口への意識は強まり、リスク回避方向に行きやすいはずだ。

 それでも反発してくるようであれば即刻ロスカットつもりで張り付いて見ていた。そのまま125円台後半までは戻りらしい戻りもなく下落してくれた。しかし今週の安値125.68の少し手前で反発してきて、126円台を触り始めた。やはりサポートとしてワークしているのかもと思い、私はポジションをクローズした。なんだか下手に相場は経済イベントよりも前に動いてしまったので、実際に発表があってもあまり動かないかもしれない。
 そう思っていたが、本当にその後は狭いレンジに収まってしまった。出てきたアメリカの経済指標が、予想よりもずっと良いもの、かなり悪いものがごちゃ混ぜになっていて、喜んでいいのか、悲しんでいいのかよくわからないものだったせいもあるかもしれない。

 しかし、ニューヨーク市場の午後はグーグルの決算に期待して、またまた米国株は高値を更新してきていた。

それなのに、である。
 実際にニューヨーク市場の引け後に発表になったグーグルの決算を見て、期待は失望に変わってしまった。当然のようにグローベックスの米国株は急落。リスク回避の動きから円は全面高となった。
 グーグルの決算は確かに史上最高益を出していたのだが、今の高い株価に見合うためにはまったく足りないと見られた。なにしろそれまで、期待を膨らませてグーグル株は1か月前より7%以上も買い進まれていた。つまり、その当時の良い予想通りだったくらいでは、今の株価からさらに上を目指す材料とはならないのだ。
 さらに中国からの撤退が来期以降に響いてくるということも過ると、逃げの売りということになったのだろう。それにしても一体、あのニューヨーク市場の米国株の勢いはなんだったのだろう。

 ドル円は94円台を割れてから、ずっと93円ちょうどをはさんでの狭い動きにとどまっていた。ここでレンジブレークしていくのかどうかが注目される。

 先ほど民主デフレ脱却議連が「為替レートを実勢に合わせること必要、金融緩和や介入で円安を」と発言したらしく、また、円相場をかき回しているようだ。いきなり93円台までドル円は急伸した。しかしそんなことより20時のバンカメの決算、21時にGEの決算のほうがこの先の値動きには大切になる。
 第1四半期の決算は良いものが期待されているだけに、失望する結果が出た場合はグーグルのようにインパクトが大きい。悪い場合には、リスク回避の局面では売られやすいクロス円が引っ張る形で、円買いが進むことになるだろう。
 そうなれば、ドル円も下向きのブレークとなっていくはずだ。その際には私は成行き売りでついて行こうと思う。しかし3月の安値88.12と4月の高値94.78の61.8%が92.24。そこでサポートして引っかかってしまうようなら、すぐに諦めるつもりでいる。
 次に21時半の住宅着工も回復の遅れが意識されるかどうかが見ものだし、22時55分に予定されているミシガン大学指数は、消費マインドを直接に図るものであるだけにとても重要だ。とくにこのセンチメント調査によって、昨日出たエンパイア指数のとても良い数字を確認しに行く事になる。予想では前回を上回ることが期待されているため、悪かった場合には次のリスク回避を促す材料になるはずだ。

 ともかく、ニューヨーク市場の朝いちがドル円の動きを決めそうだ。引け後におおどころの決算もないし、午後はもう動かなくなるだろう。

日本時間19時00分

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