昨日は久しぶりに米ドル金利が上昇した。上昇したと言っても、ほんの少し。それでも米国株がずっと続落している最中でもあったことで、金利上昇には過敏に反応したようだ。米国株は一段安し、ドル相場もやや持ち上がった。
とくにドル円は政府と日銀の合意文書の見直しが報道されていて、それが黒田総裁の事実上の更迭と日銀の金融政策の変更を促すものとして、朝がたから円高に傾いていた途上のことであった。ポジションがドルショートに傾いていたせいもあって、ドル円は137円台まで持ち上がった。
ドル円が反転して上昇に向かいだしたのは、欧州時間からであった。ドイツの景況感が良かったので、それは欧州金利を上昇させたのだ。それがドル金利のツラレ高にもつながって、ニューヨーク序盤にかけてのドル上昇になった。ユーロの金利があがっているのを見ているので、ユーロドルを売るという選択肢はなかった。
結果的にユーロドルが下がったので、ユーロドルをショートにしなくてよかったと思ったのだが、今から考えると1.06台の中盤というのはユーロの売りの急所だったような気もする。前日の高値を控えてのことだからだ。
ドル円は136円台で何度かロングにしてみたのだが、137円台までは引っ張れなかった。ドル金利の上げ幅がそれほども大きくなくて、米国株も下げ基調だったからである。ドルを積極的に買いにいく材料が少なかったので、それが皮肉なことにドルの一段高につながったのかもしれない。
今日はその日銀の金利会合である。予想では政策変更は何もなしだったのだが、金融政策に微調整を施してきた。長期金利の誘導目標のバンドを広げたのだ。それで円債は飛んで下落している。またドル円も4円級の急落を演じ、日経平均株価は1000円趙の暴落となっている。
政府合意の見直しの脅しが効たのか、お尻に火が付いた格好となっている。後任のために少しでも負担を軽くしたいと行動したのか、ADBに続いて横滑り的に天下りを続けている総裁としては、更迭だったら退職金が出ないが、事実上の更迭という事になれば退職金はもらえるはずだという役人の勘定が働いたのか(笑)。
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