金曜日はイベントが少ないはずであったが、突然のこととして日銀の総裁人事で慌ただしくなった。次期総裁など普通ならば話題にも上らないところなのだが、今回は黒田総裁のやってきた異常な金融緩和策を続けるのか、それとも見直してやめるのかが課題になっている。
いつまでも今まで通りのままではいられないだろう、すでに市場をゆがめるなど弊害も出てきているのも周知の事実である。そして国際的に比較しても、金融引き締めを実行していないのは日本だけだという格好の悪さもある。
日銀の次期総裁には雨宮氏の名前が挙がっていて、それもありなんと思われていた。黒田理事会でのメンバーでもあったのだから、当然、金融政策の継続性は保証されると考えられたからだ。それは中曾氏であっても同じだ。しかし両人ともの就任には後ろ向きだったらしい。
黒田の次を引き継ぐのは嫌だということは、今まで全会一致で決定してきた金融政策はウソだったのかという見方もある。日銀内部にいるだけに実体がより明確に見えているはずである。追随できない政策であれば、反対票をなぜ投じなかったのか。
しかし次期総裁が植田氏に決定したということで、市場は急激に円高に進んだ。また日経先物も300円ほど安くなった。植田氏の名前は聞いたことがあるが、誰だっけという感じだ。ともかく今の理事会のメンバー出ないと言うことが、不安を煽ったようである。
だが2時間くらい後に本人の直撃インタビューが報じられ、本人いわく、今の緩和政策は適切だと言うのである。ドル円も急速に値を戻し、元のレベルに戻ってしまった。2円下がって、2円上がった勘定だ。日銀総裁は誰がやっても同じだと思ってはいても、マーケットはそれなりに敏感になっているのがわかる。
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