このため、商品市況、とりわけ、鉄鉱石価格が来年も堅調に推移すると予測されるために、資源国通貨である豪ドルの追い風となっています。
ただ、先進国に先駆けて「出口戦略」を開始したRBA(豪州中央銀行)ですが、当面、追加利上げの予定はありません。
あるエコノミストによれば、RBAは現在「クルーズコントロール」状態にあるとのこと。
つまり、当面は利上げも利下げも行う必要がなく、現行の政策金利である4.75%が当面据え置かれる見込みです。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)
多くのエコノミストは、2011年の後半に豪州の利上げを予測しているようです。
そのため、2011年前半の豪ドル/米ドルは追加利上げというサポートに欠けるため、上昇は緩慢となり、当面は0.90~1.05ドルのレンジで推移するのではないでしょうか?
■2011年の豪ドル/円のターゲットは90円がメドとなるか?
一方、豪ドル/円は堅調な動きとなるでしょう。
これは、主に米ドル/円が堅調に推移すると考えられるためです。
先日、米国のオバマ大統領が共和党と合意した減税案は、いわゆる「ブッシュ減税」の2年間延長にとどまらず、総額約9000億ドルにのぼる事実上の「追加景気対策」であると言われています。
この対策により、多くのエコノミストは米国の成長見通しを上方修正しました。
ゴールドマン・サックスも、来年の米国の成長見通しを3.4%へと上方修正しています。
これによって、米ドル/円が堅調に推移すると見られ、結果として、豪ドル/円も上昇しそうです。
豪ドルは、米国経済よりも中国経済の影響を受けやすく、中国の金融引き締め策により、一時的に値を崩す局面もあるでしょう。ただし、それは一時的な調整に終わるのではないかと考えています。
豪ドル/円のターゲットは90円がメドでしょうか?
それでは、みなさんにとって良いクリスマスでありますように。
来年もよろしくお願いいたします。
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