だんだんとギリシャの追加支援に関して、EU内部でゴタついてきたようである。いちばんの支援をすることになる、重要なドイツのスタンスとしては、対外的には支援に向けて積極姿勢を示している。一方で、前々からいわれてきたように国内的には追加支援に反対の声が大きい。
秋まで大きな選挙がないとはいえ、ドイツはまもなく踏み絵を踏まされることになるのだ。国内事情も放って置けない状況なので、グローバルな金融マーケットではより不透明感が漂うこととなっている。もはやギリシャは1年超の国債を発行できないまでに、国際的な信用力を失っている。
こうした背景は誰もがわかっているはずなのに、ちょっと良い材料が出たりするとユーロは買い進まれる。ギリシャで短期債を無事に発行できたという程度のことだ。発行できたといっても、ついて回る金利はすこぶる高いもとのなっている。
具体的に支援策がまとまらなくても、まとまりそうだというだけでユーロ買いだ。本来は悪材料が継続しているはずなのに、どこかで期待ベースでの買いが先行するといった形だ。
ドイツの反対は根強いものとなるだろう。それでもユーロドルの1.41台というのは、下がってきたといっても、歴史的に見ればユーロ高の水準である。現状では1.00を割り込むような恐怖もない。考えようによれば、ギリシャという臭い国がひとつ、ユーロから抜けるとなると、それはかえってユーロというものの健全化に寄与するとでも考えられているのだろうか(苦笑)。
そういう思いもあるので、私は欧州の信用不安が問題になるたびにユーロ売りを仕掛けてみる。たとえ20ポイントくらいしか利食えなくても、ユーロをショートに振っていくだけの価値はあると思うからだ。昨日も1.41台のユーロドルを何度か売ってみては、すぐに買戻している。
しかしなかなか持ちっぱなしにもできない。というのも答えは明白で、テクニカル面から見て、1.40台の大台をクリアに割り込まない限り、ユーロドルはダイナミックな動きをしそうにないからである。むしろレンジの下限であるならば、そこから反転する可能性の法が強いわけで、現状のユーロドルはつまらないレンジにスタックしているとしか言いようがない。
今朝になってグリーンスパン前議長がギリシャについて、デフォルトに陥る確率はきわめて高いと発言。これがアジア市場を支配した。ユーロは売られがちで、まとまった買いは出てこない。危ないと感じてか、朝から値を吹いていたグローベックスでの米国株もマイナス転するまでにいたった。
欧州市場でも流れは同じで、ユーロはまた急伸する場面を見せるなど乱高下は続いている。しかしリスク回避ムードも強まっているのも事実だ。私は今は根っこにドル円のショートしか持っていないが、これにユーロドルのショートをくっつけることにして、ユーロ円のポジショニングで構えておくようにしようと思っている。
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