昨日は米議会での法案通過が毎度のことで、そんなに大した問題でもなく、素直にマーケットがコレクションの方向に動くかどうかが試される一日となった。すでに上院での可決は織り込み済みなので、大きな材料にはなりえないのだが、その後に安心感からリスクテーク的に動くのか、それともトレンドを変えずに株安とドル安を攻め続けるのかだ。
欧州市場ではスペインの国債スプレッドが拡大しているという話が、ユーロの目先を重くしていた。前日にはイタリアだったので、順番に売られているようだ。ユーロドルは100ポイントほども押し込まれてしまい、1.41台へ。不安回避でリスク資産からの対比も続く。グローベックスでの米国株は下げ幅を広げ、ちょっとイヤな感じになってきた。ドル円は小動きで値幅は小さかったが、77円台の前半に張り付きである。
ニューヨーク市場では、こうしたリスク回避の動きは急激に大きくなった。米国株は一段安し、原油価格も93ドル台まで見た。クロス円の重さは顕著になってきた。ニューヨークのランチタイム以後に上院で債務上限の引き上げ法案が通り歓迎されはしたものの、マーケットとしては、その合意内容になるような歳出削減をしても景気は大丈夫なのか?ということで悲観的になってしまった。ドル円、クロス円はすべて安いままでニューヨーククローズをむかえてしまい、この円高の相場を日本の当局がどう対処すべきかという状況になった。
本日は夕方まで為替介入はなし。77円台も間もなく割れそうだというのに、口先牽制くらいしか出て来ない。これでは77円台前半とか76円台を是認していると取られかねない状況だ。まあ、実際に為替介入をしたところで、瞬間的に78.00あたりまで戻すのがやっとかもしれない。しかし昨日までと違うのは、株安が極端に進んできたことだ。これは景気の面からも放置できない問題だ。
介入期待というわけでもないが、ドル円が76.70を割り込んできたら、ちょっと拾ってみようと思っている。特に今晩はADP指数が出る。雇用関連のデータに敏感にならざるをえない時期であるだけに、ワンチャンスあるのではないだろうか。もちろんロスカットは新安値である。あまり逆張りはしたくはないのだが、歴史に参加するという意味でも、スモールでも参戦するつもり。
米国株はS&P指数でみると、今年は1250から1350までがコアレンジとなっている。昨日の大幅な下落によって、米国株はその下限の位置まで接近してきた。ここを抜けると、もう一段安がありそうで、それによってさらなるドル安も誘発されそう。ここのレベルで当局の姿勢がどうであるか、きわめて重要である。
日本時間 18時15分
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