昨日の欧州市場までは、なんだかやる気なしという感じの為替相場が続いた。しかしドル円は相変わらず狭い動きでも、ユーロのほうは大きく上伸を始めた。ひとつにはECB(欧州中銀)が資産の購入を堂々とやっていることだ。今回のスペインとイタリアの国債を家入れた総額は、200億ユーロにものぼるようだ。これは実質的な金融緩和と同じである。
それを好感してか、欧州株や米国株のここ最近の戻り歩調も、リスクテークの流れを助長して、クロス円相場の上昇の後押しをしている。ユーロ円も111円近くまで戻してきた。ユーロドルは1.44台の後半までメクラれてしまい、短期的なストップ注文はほとんどつけ終わったという感じになってきた。日足の形で見ると、再度、上値のレンジタンスラインに接近してきたことになる。
ユーロが上がってといっても、まだレンジ内のような気がするので、私は寝入る前にユーロドルを1.4448でショートにしておいて、先ほどつけた高値で1.4476近辺のちょっと外側となる1.4480にストップ注文だけ置いた。ここで反転するならば、結構、深押しするのではないかと目論んでのことだ。
しかし朝起きしてレベルを確かめると、あんまり動いていなかった。ちょっとがっかりである~。東京オープン前に少しフェイバーになってきたので、それでいちど利食いをして、再び様子見することにした。
東京時間の日本株は、前日の米国株が大幅高したことを好感して高値スタートになったが、なんだか弱々しい。前日の終値と変わらないレベルまで下がってきていた。欧州市場でもこの流れが続けば、クロス円に引っ張られてユーロドルも下がってくるに違いない。そう思って、1.4403でまたユーロドルを売ってみた。ロスカットは日足のレジスタンス近辺だし、昨日と同じ1.4480に置いている。
今晩は住宅関連の指標が出る。先週の木曜日から米国株は3連騰してきているので、これでもう一段高するようなことになると、マーケットのムードも変わってきて、米ドルに対す信認も復活してくるかもしれない。ずっと76円台に固執してきたドル円であったが、上がるなら上がるで、その材料になるかもしれない。
もう一つの材料であるパリでの独仏首脳会談のほうは、あまり成果が期待されていない。マーケットが平準化して落ち着いてきたから必死さに欠けるものとなろう。あまり為替相場、特にユーロの買い材料を支援するような内容のものは出てきそうにない。とするとユーロドルもやはり最近のキャップされているポイントを上抜けすることが出来なくなって、またもや1.41台狙いの、レンジ相場の中核に戻っていくのかもしれない。
とにかく為替相場には動意が薄いのだから、レンジ相場がまだ当分の間、続くものだと思って対処したい。ユーロドルの1.44台のミドルアッパーは逆張りで売り、またドル円の76.50より下も拾い場と考えて行動する。夏枯れなので、抜けてもついて行かないほうが無難だろう。その場合には、一日明けて、翌日の挙動を確かめてからでも遅くはない気がしている。
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