先週から続いている欧州危機の薄らぎへの期待感から、昨日の欧州市場もリスクテークが主力となって始まった。アジア時間からグローベックスでは米国株は猛烈に買い進まれ、今年の半値も突破。このまま年末にかけて、全戻しするのではないかという勢いだった。欧州序盤ではユーロドルは1.39台をトライする寸前だ。
株価の戻しと同じようにユーロドルの戻しもきつい。1.31台まで沈んでいたものが、1週間余りで1.39台手前である。800ポイント分も良いことを欧州各国がしたとは思えない。いまだ高値圏に位置しているので、ユーロドルやユーロ円はうかつに売ることはできないが、もし何かあったら崩れるのも早いのではないかとも思える。実態がついていってないのだ。
とりあえず相場の流れの変わり目は、夜の21時過ぎから発表される米企業決算か、その後の経済指標の時間帯だろう。それまでは潮の変わり目を見出すのは難しそうだ。そう思っていたが、ロスカットがおきやすいというだけの理由でとりあえずユーロドルを売ってみた。上方向に勢いがついているので、あっという間にくるかと緊張しながら見ていたが、意外にも、18時を回ったころから欧州株の下げがきつくなってきた。米国株を見ても、やはり下げている。
肝心のユーロドルやユーロ円はまだそれほども落ちていなかったが、きっとなにか起こったのだろうと思って、ニュースを探りにいった。そうするとドイツの財務相や政府高官が、23日のEU首脳会議では欧州危機を一気に解決に持っていけるような解決策は出ないだろうと発言しているのがわかった。期待だけで買われてきた株やユーロであっただけに、これは期待をはがすには十分すぎる内容だ。
そうであれば、株価が下落局面にいることを考慮してクロス円主導になるのではないかと考え、ユーロ円も売り込むことにした。107.70くらいまで高値トライしていたユーロ円だったが、私が売ろうとしたときはすでに107円ちょうどを割りそうなころ合いだった。107.03でしか売れなかったが、とりあえず107.35でストップ注文を置いて様子見。
ところがユーロ円を売ってみると、下げはユーロドルのほうが速い。ユーロドルは気持ちよさそうにすいすいと落ちていくのに、ユーロ円は106.80あたりで踏ん張っている。しばらく粘って一段安しそうになったが、それでも106.40あたりでもんでいる。アゲインストではないのだが、下げスピードがのろいのでじれったい。ロスカットレベルを106.80に下げることだけが唯一のできること。為替相場のレートばかり見ていたら、いつの間にか、決算発表も経済指標も出ていたようだった。それだけ経済データは今のマーケットに重きをなしていない証左であろう。
ユーロドルのほうは1.37台にまで下がってきて、米国勢の参入となった。かれらも当然のごとく、リスク回避の方向でトレンドフォローに傾くだろうと思っていたが、ユーロドルがあまり下がらなくなってきた。とりあえずユーロ円を106円台の前半で利食ったのだが、その直後に米国株が一段安となり、すぐにユーロ円も105円台に突入となった。ああ、なんともアンラッキー。
その後も米国株は下げ続けたようだ。ユーロ円も105.40あたりまで下げ、戻りも鈍い。私の利食ったところには一度も戻りきっていない。ユーロドルは今朝クローズした。1.37台前半まで下げていたが、アジア時間で買い戻しが出てくることに備えねばと思ったからだ。アジア時間は小動きだったが、やはりチビチビとユーロの買い戻しは出ていて、106円台に何度も乗せそうにもなった。しかし無念のまま、ユーロ円は欧州時間にはあっさりと104円台にダイブしている。フランスの格下げ話しもまた再燃している。
今晩もゴールドマンサックスやバンカメなどの金融機関の決算発表があり、ニューヨーククローズ後にもインテルやアップルなどの大どころの決算がある。もちろん相場のメインテーマは欧州危機というマクロ的なものだが、相場の入りどころとしては、そうしたミクロ指標の瞬間を狙って、えいやっと入っていくしかないのかもしれない。
日本時間 19時00分
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