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田向宏行
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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

週末のEUでの会議を前に神経質なユーロ、
様子を見極めてからのほうが無難?

2011年10月21日(金)18:24公開 (2011年10月21日(金)18:24更新)
持田有紀子

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 昨日の海外市場でも、やはり欧州の信用問題に振らされることとなった。問題の解決に関して根本的なことは、まだ何も決まっていないのである。また案があったにしても、実現性となるとはなはだ怪しい。ましてや事前の協議で合意形成できるのかも危うい状態だ。安定化へのステップにおいて少しでも前向きなコメントが出てくると、期待ベースだけで過剰に相場のほうが反応してしまう。

 まったくそれの繰り返しが続いている。そもそも安定化は市場にとっても良いことなので、卓越した案があるくらいならば、合同会議などを待たずに公表されてしかるべきところのものだ。それがないというのは、まだまだ不完全のままであるということが十分に推察できる。それにしても演説の延期されたり、会議の予定も増えるなど、調整の難しさとユーロ圏の根本的に抱える課題の深刻さが伺える。

 昨日の欧州序盤ではドイツ財務省の見解として、EFSFの基金の流通市場での活用に関する言及で始まった。これでリスクテークの流れは決定的となり、ユーロは買い上げられ、欧州株も上昇。しかし独誌でEUの首脳会議が延期されるのではないかとの観測が出てくると、一転してのリスク回避。悲観論が充満し、それまで1.38台に乗せていたユーロドルは極端に売りたたかれ、ニューヨーク市場でも株安が進んだ。

 まったく落ち着きのない相場である。上下動は激しいものの、ここ最近のレンジである1.36から1.38というコアは外していない。私はユーロドルのショートをつくる場所を探していたが、やはりこうなってはと思い直し、果敢に1.3772から売り込んでいった。どうせまた反対に明るい情報も流れたりして、急激にユーロ上昇の局面を迎えることになりかもしれないが、それは承知のうえでのことだ。買い戻しのストップ注文を30ポイントビハインドに置いて、下げを狙っていくしかない。

 私がショートにするとユーロの投げ売りモードは終わったようで、1.3750あたりを中心に小動きが続いた。企業決算やカダフィ大佐のニュースはまったく無視され、欧州からの発言を待っている状態。独誌にEU首脳会議の延期が報じられていることが伝わってからは、ユーロの重い展開が続いているのだが、途中から流れに乗った私としてはちょっとじれったい。

 米国株が始まったらリスク回避の方向性が鮮明となって、ユーロドルもそれに合わせて軟化。1.37台の前半までくると、ショートカバーへの怖さと待っている間のもどかしさから、利食ってしまった。結局は1.36台の中盤まで差し込んだのだが、とてもしれまでは待ち切れなかった。まったく自分の都合とかフトコロ具合で相場を考えるな!と人にも言ってきたのに…(涙)。

 ポジションもスクエアだったのとっとと寝てしまったが、翌朝になって確認すると、ニューヨークのランチタイムが済んでから、独仏の電話会談で安定化基金を9400億ユーロまで拡大で合意したとの報道が流れ、これによってニューヨーククローズに至るまでリスクテークとなって、ユーロドルはものの見事に1.37台の後半まで値を戻してきていた。アジア市場では。1.38台を何度もつけにいっていた。

 週末にEUの会議をひかえているので、今日は動きづらくなるだろう。欧州スタートでは、アジア時間の投げもあるのかユーロドルはまたまた1.37台割れ寸前まで売られてもいる。コアレンジ内とはいえ、動くときは本当に急である。ともかくもっとはっきりした観測が流れだすのも、米国時間の、しかもかなり遅くなってからだろう。方向性が定まってから手を出しても遅くはないのではないかと思う。さらにいえば、最悪でも週明けから相場の進んだ方についていっても、安全度から考えると得策のようである。


日本時間 18時10分
 


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