毎日、コロコロと猫の目のように様相を変えるマーケット。水曜日に株価が暴落した後だというのに、金曜日の相場はその反対の動きをたどることとなった。市場のリスクがユーロに敏感に反応するので、ユーロドルの値動きがすべてを物語っている。
わかりやすいと言えばそれまでなのだが、実際問題としてはどちらに動きだすのかを予想するのは難しい。ほとんどの場合が要人発言など、想定できない部類のファクターが材料となってしまうからだ。短期トレードでできることといえば、値動きについていくことだけだ。
ただユーロドルも1.42台からの急落をうけてのことなので、いちおうのテクニカル面からのポイントもおさえておかねばならない。10月下旬のEUサミットでギリシャ支援の大枠合意ができたときのユーロドルの戻し高値が1.4248まで。その後の株価急落によるリスク回避で下げたときの最大の押し目は1.3484である。
すると半値戻しは1.3866になるわけで、確かに日足のチャートを見てみると、そのあたりが引っかかっているようにも見える。そのレベルを完全に上抜きしてこないと、本格的なユーロ買いのブル相場にはならないということなのだろう。
そういう見方で見ると、金曜日のユーロの買い戻しも1.3795までで、まだまだ上昇分が足りないような気がする。売りたい人、もしくは売らなければいけない人にとって1.38台のユーロドルは絶好の売り場となりそうだ。私としてもこの137台のミドルアッパーをロング攻めするよりも、1.38台に乗せてきたあたりからショートポジションを作っていき、1.3875でロスカットするのが良いように思えてきた。
一方でドル円なのだが、ユーロドルやポンドドルなど、主要通貨がすべてドル安方向に動いているのに抗しきれず、軟調な展開だ。77円台を割り込むのも目前であり、これで76円台に突入となると、完全に介入前の水準に逆戻りとなる。聞かれる注文状況を考えただけでも、ドル円の戻りにはかなりのオファーが残されており、目先は重そうだ。
週明けの今日、早朝においてはリスクテークの様相が強まった。イタリアで新内閣が発足しそうだということらしいが、ユーロ買いが進んで1.38台まで見ている。リスク許容度の増大はグローベックスでの株高にも現れ、米国株は先週の高値を抜いてきて、さらに高値追いの状態が続いている。朝には日本のGDPが発表されたが、プラス1.5%となり予想通り。発表後には日本の株価もほとんど動いていない。
変化がみられるとしたら欧州時間に入ってからだろう。そこで高値張り付きしてた株価が崩れてくるようなことにでもなれば、ユーロドルかユーロ円を売ってみたいと思っている。日本時間の19時あたりにはイタリアの国債入札があるので、そのあたりは注意しないといけないが、欧州では株高も一服してきた感じだ。
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