昨日の欧州市場では、ユーロドルがいよいよ1.3000の大台を割り込みそうな勢いで始まった。今週に入ってからというもの、ユーロクロスの下げが主導する形でユーロ売りが続いている。ユーロ円が101円台なのは仕方がないにしても、ユーロポンドなどを見ると、とてもひどい。
ユーロポンドは毎日、60-70ポイントくらいずつ下げている感じだ。ユーロクロスで下げ出すと、もうユーロドルの上げは困難になる。私もまず欧州序盤の1.3000攻めのときにはユーロ売りで臨むことにしたが、これはすぐに損切りした。
19時にイタリア5年債の入札が控えており、どうせ利回りが高くなろうとも、無事に資金が集まれば市場に安心感が広がり、それでユーロ買いにつながってしまうという、いつものパターンがあるからだ。第1回目のトライは見事に失敗し、ユーロドルは1.3000を割れることから免れて、ショートカバー気味のまま、入札タイムへと進んだ。
かといって、ユーロドルを買い向かい気はまったくしない。どうせ戻りを売ろうとも思っているので、上がりきるまで待つこともできる。イタリア国債は入札がなんとか済んだものの、内容が決して良くはなく、長期債の利回りが再び7%を越えてくるなどして、次第にリスク回避姿勢が強くなっていった。不安の心理を反映してか、ユーロが下げてくる。
私は1.30台のローは一度刺さっているので、つぎは1.3000が完璧に割れてから売るつもりでストップ注文の売りを置いておいた。もっと難しいかと思わっていたのだが、あっさりと割り込んでしまった。お出かけをしている間に注文が出来た。オプションなどのヘッジ買いも少なかったようだ。もちろん防戦買いなどは存在しない。1.29台に突入した以上、どこまでいくかキープウォッチせねば。
なんどか下値攻めをしたが、1.2970あたりまでが限度で止まってしまう。みんな同じように気張ってショートメークしているせいだろうし、大概の人々が買い戻しでもしないとさらなる下げは無理かもしれない。私は1.2978で利食いして就寝した。久しぶりの1.29台でのディールだったので、値幅が20ポイント少々しか取れていないのにも関わらず、すごく儲かったような気分にもなった(笑)。
今晩はアメリカのセンチメント指標が出てくる。昨日のようなユーロ安と商品安でリスク回避が意識されやすくなっている状況では、たとえ過去のデータといえども悪いほうに予想が外れた場合のインパクトは大きいように思う。やはり今日も基本スタンスはユーロ売りとなろう。
日足ベースでも100ポイント以上の陽線を形成しない限りは、まだ当分、ユーロのベアマーケットは続くと考えて対処した方が無難なようだ。1.3000を割り込んできたユーロドルとしては、ネクストサポートは今年の最安値である1.2874しかないところ。昨日の安値である1.2946から見れば、もう100ポイントもない。欧州時間におけるユーロの材料、特に要人発言には要注意。
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