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田向宏行
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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

スペイン支援要請でユーロ暴騰!
脇では中国懸念も、リスクオン続くか!?

2012年06月11日(月)18:40公開 (2012年06月11日(月)18:40更新)
持田有紀子

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 金曜日の欧州市場、ドル円は79円台の前半で、ユーロドルは1.24代の中盤で始まった。前日のバーナンキ発言の後のリスク回避がワークしていて、欧州株も米国株も頭が重い展開が続いているので、なかなかクロス円やユーロクロスが上がっていかない。私も重い動きの株価という材料もあるので、何回かユーロドルを売り込んでみたりしたが、なかなかダイナミックな動きは出てこない。

 私が1.2533で出遅れかと思いつつ、アジア時間につくったショートポジションは、欧州時間に1.24台にミドルで一度クローズした。しかしその後のトレーディングときたら、5ポイントほども取っては利食いで買い戻しという、その繰り返しになってしまった。1.23台まで野太くキープしたいとは思っても、スペインの支援があるのかないのかで議論になっている。

 つまりこれによって大きくリスクの状況が変わるものだから、私に限らず、誰も大きくポジションをどちらかに振り向けるわけにもいかないのだろう。結局ずっと1.24台ミドルの展開に終始して、夜の1時ごろまではマーケットに付き合ったが、大した動きも出てこなかったので、とっとと寝てしまった。

 土曜日の朝に見ると、大きく株価は上昇し、ユーロドルも1.25台に戻しきっていた。スペインが週末にも支援を要請するだろうという観測がかなり台頭したようで、いっせいにリスク相場での巻き返しが起こったようだ。それでもユーロドルの戻りは1.25台前半までであった。

 それにしても、週末には材料がとても豊富だった。まずは中国の経済指標だが、やはり予想よりも悪いものだったが、心配されていたスペインの支援要請だが、公式に要請がなされ、しかも1000億ユーロといった具体的な金額まで出てきた。これによって不良債権で苦しむ銀行の一時しのぎにはなるのだろうが、本体の国としての財政問題は片付いていない。

それでも不安材料がひとつなくなったことで、週明けのマーケットはリスクテークの方向に飛び跳ねてスタートした。ユーロドルは早朝の段階から1.26台のミドルで取引されていた。ユーロ円も100円台で、他のクロス円もおしなべて高い。そしてそれから少し遅れて始まったグローベックスでも大きく米国株は上昇。リスクがパンパン状態に入ったようであった。

 こんなショートカバーを巻き込んでの急上昇の展開では、高いところをつかむのもイヤだし、また逆張っていくような価値もない。アジア時間はその落ち着きどころを見極めるだけにとどめておいて、欧州序盤から中盤にかけてのマーケットの消化具合を勘案しながらネクストアクションを考えることにしようと思う。

 アジア時間ではちょっと株価のダレも見えだしている。上値警戒感が高まっているのだ。本当のリスクテーク材料であれば、ここからでも一段高してもよいはずだ。欧州時間もどうも今朝がたのような勢いは感じられない。もう次は?というようなムードも少し出て来ているような気もしないこともない。

 だが今晩はまさしくイベントがない。よってマーケットの関心はスペインの材料消化と、中国のスローダウンの綱引きとなる。木曜日に中国が利下げして、他の海外株はそれを好感して株高となったが、肝心の中国株は翌日には下げている。そして週末の中国の一連の経済指標はどれも国内景気のスピードダウンを示すものが多かった。まあ、どちらに転んでも動けるように構えておきたいが、ウオッチする対象は米国株の動向であるのは間違いない。

日本時間 18時30分

 


 


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