夏枯れ相場が続き米ドル/円の方向感は乏しい
夏枯れ相場が続いています。相場が動かなくなってくると、方向感のない中、金利差が効いてきて、若干ではありますが、円安方向に向かうことが多いのですが、今回も同じような傾向がみられます。
まだ、トレンドが出るような状況でもありませんし、要人発言や経済指標の結果などで、急に円高に振れるようなこともあるかもしれません。しかし、そのたびに結局また元に戻るということが繰り返されると思います。
その上で、私は最終的には年末に向けて円安方向に向かうのではないかと今の時点では考えています。

(出所:TradingView)
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年末に向けて円安に向かうと考える理由
理由は以下の通りです。
まず、さまざまな経済状況を乗り越えて、米国、日本などの株式市場は堅調に推移しています。トランプ関税などの問題があり、企業業績がやや下振れしているにも関わらず、堅調な動きを見せている日本の株式市場の現状を見る限り、まだまだこの傾向は続くと考えられます。

(出所:TradingView)
そうなると、基本的にはリスクオンからの円安という流れになってもまったくおかしくありません。
次に金融政策です。9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)において、FRB(米連邦準備制度理事会)はおそらく0.25%の利下げに踏み切ると思います。
しかし、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の先物市場を見ると、マーケットはこの利下げをほぼ織り込んでおり、利下げをしたからと言って米ドルが下落することはないと考えられます。
そして、今週(8月18日~)発表された直近のFOMCの議事録を見る限り、FOMCのメンバーのほとんどが、急激な利下げの必要性はないと考えていることがわかります。
そうなると、追加利下げもゆっくりと実施されていくことが予想されます。その場合、米ドル相場にはあまり大きな影響は出てこないと考えています。
一方の日本ですが、こちらも早ければ9月の利上げをマーケットは織り込んでいます。その先も、トランプ関税の影響を見ながら、追加利上げに関しては、慎重な判断がされていくと予想しています。多くても年内の利上げ幅は0.50%にとどまるとみています。
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急激ではないがじわじわ円安に向かう展開を想定したい
以上のようなケースを想定した場合、確かに日米の金利差は縮小しますが、すでにかなりの部分が織り込んでいることを考えると、マーケットは緩やかな金利差縮小を吸収しながらも、円高方向に向かうことはないのではないかと予想しています。
急激な円安はないかもしれませんが、じわじわと円安方向に向かう展開が年内のどこかで起きる可能性が今のところ高いと感じています。

(出所:TradingView)
この先1週間程度の米ドル/円の予想レンジは147-149円としておきます。
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