最近は妙に市場に政策期待だけが高まって、相場の動きとしてはとても扱いにくい状況となっている。リスクテークしていて株高や原油高には向かうのだが、それに従ってユーロ円でも買おうものならば、すぐに下がってしまうというような、これまでに見られない展開が現出している。ユーロドルも外部環境の変化をたどって売買していたのでは、どうもそのタイミングが合わないことが多くなった。
そこで昨日からテクニカル中心の、というか数字を中心とした機械的な取引を手がけてみることにした。まずはユーロドル。昨日は1アジア時間の午前に1.23台に乗ったところで売ったのだが、これは1.22台がコアの場であって、その両端の1.21台と1.23台では逆張るのである。いつまで続くかわからないが、当面はレンジ相場が続くものとして想定している。
そういうわけなので特にユーロベアというわけでもなかったのだが、ユーロショートになった以上は下げ方向の動きが気になる。欧州序盤ではユーロドルが1.22台の後半でスタックしていたのだが、徐々に値を下げてきた。1.2250より下ではいったんの利食いに励みたい。
いつものように株価を気にしていたら、このユーロショートは持っていられなかっただろう。なんといっても欧州株もグローベックスの米国株も高いままで、全然下がろうとしないのだ。それでもユーロは全面安の動きとなった。
とくにユーロクロスがひどい。ユーロ円はまたまた96円台に突入し、ユーロポンドも今週にはいって2回も止められている0.7830に近づいていく。そんな中ではユーロドルは下げ圧力でパンパンだ。ユーロドルも1.2250を下回ってきた。私は利食い態勢に入ったが、ユーロドルが戻る様子もないので、急いて買い戻す理由もない。
イベントとして注目を集めていたBOAの決算や住宅着工のデータは良かったのだが、株価も為替相場も動かなかった。無反応である。前日のバーナンキ議長のコメントで虚脱感があるのか。このままではニューヨーク勢が本格的に参入してきても、動かないのかも・・・。
しかし実際は米国株がオープンすると同時に大きくリスクテークへと傾くこととなった。英国株が急上昇。また23時からのバーナンキ発言に期待でもしてのことであろうか。前に行ったことと同じ内容しかしゃべらないというのに。とにかく危なそうな感じである。ユーロドルは依然として1.2250アンダーだが、私は1.2238で買い戻した。
別段、1.21台まで待つ必要はない。そこまで行ったら、今度はユーロロングにするだけだ。私の上サイドのバウンダリーは1.2335であり、下のバウンダリー1.2160である。そのどちらかがつかない限りは、この夏枯れ相場をレンジ取引でエンジョイし続けるという皮算用だ。
今晩はモルガンスタンレーの決算やフィリー指数がある。ニューヨーククローズの後にはマイクロソフトやグーグルの決算もある。しかし注目は今の高い株価水準が保たれるかどうかであろう。どうも期待だけで高値追いになっているように見える。
欧州の信用問題は画期的に解決されているわけでもないので、状況にドラスティックな変化はないのだ。これが反転してきて下落に向かうようならば、必然的にユーロドルの下抜け、およびドル円の下落は起こるものと思われる。問題はそれがいつ起こるかなのだが。
日本時間 17時50分
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