昨日の欧州時間は、ドル円は78円台の後半で始まった。もういつ79円台に乗せこんできてもよいレベルなのだが、79円ちょうどという大台が節目として抵抗しているようだ。アメリカの経済指標が良いものがポロポロと出だしているので、追加緩和しなくても問題ないという情勢となってきている。
ということは長期債の買い入れなども減るわけで、それを先に見込んだ米国債やドイツ債などの売りが、パッシブファンドなどから出されるようになった。それで歴史的な低水準を更新していた日々が続いたアメリカやドイツの長期金利は、いよいよ上昇に転じ、その金利上昇が目に見える形となってきた。
まだこれが本格的には短期金利の世界には波及してはいないものの、ドル金利の上昇はドル高要因の第一になる。ドル円もほとんどゆるまない。逆に押し目買いしたい人が並んでいるという状況だ。
昨日、発表された経済指標はマチマチだったが、それでも内容の改善が確認されるものもあり、特に住宅関連と工業関連のデータが指標を上回って良くなっていたのには、マーケットは勇気づけられたようだ。私はユーロドルでショートを持っていたので、ドル買いは歓迎である。
指標の出る前から、ユーロドルは1.22台にまで沈んでいたが、その戻りは鈍かった。徐々に戻し高値を切り下げてきているので、比較的に安心して見ていられる。ニューヨーク時間の午前中には、ついに1.23台を回復するには至らなかったので、私は1.2305で買い戻しのストップ注文を置いて寝ることにした。
ニューヨーククローズ前に起きたのだが、ユーロドルは1.2300はつかないものの、1.22台の後半でプレイしていた。私はとりあえず利食いの買い戻しをやって、アジア時間につなげようと思った。
それにしてもこの8月に入ってからというもの、相場が面白い動きをしていないせいか、私自身も納得のいくようなナイスなディールをやっていない。そこで食い千人力ということで、勝ち癖をつけておくべきところだと思ったのもある~。
昨日の米国株は小動きだったが、やはり長期債の下落が目立っている。これはアジア時間になっても続いており、グローベックスでも時間外取引ではあるが、長期金利の上昇は続いている。それに触発されて、あまり動かなかった円債までも急落で調子づいてきた。これで完全に緩和期待は吹っ飛んだというところだ。
しかし今日の日本株は堅調にスタートし、日経先物は節目とされていた9000円の大台を越えてきた。そして多少のテクニカルな買い、すなわちショートポジションのメクリもあって上値追いのまま東京クローズを迎えた。この日本株の上昇は、1カ月ぶりにドル円が79円台に乗せてきたことが大きい。東京市場の後半では79.35近辺まで上昇。
こうなるとややリスクオンの要素も出てきたので、ユーロは下がりにくくなっている。私はドル高的にもユーロドルはまた売っておきたいと考えているので、マーケットのリスクテークが一服したところで、ぜひとも売りたいものだと思っている。そもそも本日のアジア市場で日本以外の株価はまったくぱっとしない展開でもあった。
今晩は住宅着工や失業保険といった、米経済の持ち直しを確認するべき指標が並んでくる。これでまたドル金利の上昇をともなったドル買いになるのかどうか。要ウォッチである。
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