金曜日は注目の雇用統計だった。ジャクソンホールから1週間、ECB理事会をする―して、米国株はさらにラリーしており、リスク許容度はかなり増大。したがってユーロ円をはじめとするクロス円は全部高くなっており、リスクテークでパンパンの状態で指標の発表を迎えることになった。欧州序盤からユーロ買いを集めて、ユーロドルは簡単に1.2650を越えてきた。
こうなってくるとテクニカル的にもユーロ買いが買いを呼ぶ展開になるのは容易に想像ができた。しかも雇用統計まではまだ4時間もある状態だ。その間は何も相場を揺るがすような材料は出るはずもないから、その状態が継続されるのが当然であろう。そう思って、私もトレンドフォローで乗ることにした。1.2688だったので、とても高いところ。これであと3時間以上も過ごすのかと思うと気が滅入る思い。
まったくユーロドルは下がらないまま。グローベックスでの米国株もやや上昇。水曜日のADPが良かっただけに、それだけ雇用統計に期待もしているのだろう。仮に悪くても、今度は政策期待といって株買い相場になるかもしれないと考えると、リスクテークが強くなることも予想され、これもユーロをロングにしておいてもよい安心感につながっている。緩和期待が高まるときは、ドル金利が低下しているだろうから。
雇用統計が出る前にユーロドルは1.27台に乗せてきた。高値追いの高値張り付きなのだから、もっと上がるとも思われるが、いちおう念のため半分だけ利食っておいた。発表されると、やはりユーロドルは上昇した。ドル円も下がっているので、ドルの全面安ということだ。すぐには確認できなかったが、内容が悪かったのだろう。ユーロドルは1.2760を越えてきたところで一服。
グローベックスでの米国株は上がりたいのか下がりたいのかハッキリしない動きだった。現物株が始まる22時半まで待とうかとも思ったが、1.2780までなかなか達しないので、この辺は重たいのかなと思い、1.2773で残りも売った。しかしその後もユーロは堅調で、ユーロ円が100円乗せしているのは仕方がないとしても、ユーロドルはまったく下がることもなく、1.2750をクリアに割り込んでもこない。
ユーロポンドが異常に強くて、それにも支えられてユーロドルはついに1.28台まで上がってきた。ニューヨーククローズにいたるまで米国株が小幅な動きとはいいながらも下がらなかったことが大きい。ユーロは全面高のまま終了し、ユーロポンドは0.80台まで回復しきっている。ユーロドルも1.28台で高値引け。ユーロの値動きだけが目立ったが、その他の外部環境を見ると、あまり動かない一日となった。
果たして金曜日のユーロの動きが正当化されるのかどうかを見るのが本日の為替相場である。期待だけでドル売りが進んだというのが結果としての見方だが、今週はいろいろなイベントが並ぶ。水曜日にはドイツの憲法裁判所の判断が示されるし、同じ日にはオランダの議会選挙だ。
そして木曜日にはである。しかるに今日と明日は目先のポジション調整などで動くことが多くなりそうだ。先週末に高値圏で終了していたユーロドルも、今日のアジア時間ではやや垂れ気味。もっとアップサイドを攻めきれなかったのが、どのように海外市場で効いてくるのか、それを見極めたいところだ。
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