先週末に起こった奇妙な安心感から、すなわち財政の崖への不安が多少なりとも和らいだことによって、マーケットのリスク許容度は増大。そして週明けの昨日も、その流れがとどこまで続くのかに最大の関心が集まった。リスクテークの状況なのだから、言うまでもなくドル円やユーロ円の上値はどこまで伸ばせるのかということである。私らトレーダーとしても出来ることと言えば、このままロング攻めで高いところを注意深く買っていくか。それとも上値の限界を見極めるまでは不必要に手を出さないという消極策くらいである。
昨日の欧州市場でもリスクテークの勢いが強い。それでユーロ円などクロス円はダイナミックさはないものの、実に堅調な動き。ユーロドルも下値不安はやや薄らいだようで、何かあれば1.28台の後半くらいまでショートカバーしてもおかしくないように見えた。ドル円は朝に高値攻めをしてしまっているので、買うならばユーロ円だろう。朝の104円台をつけた後の最大の押し目が103.48なので、103.45で売りのロスカットを考えればよい。私はユーロ円を103.71で買っていった。
欧州時間では株価は確かに高かったのだが、高値圏での張りつきで動かない。動かないのでユーロ円にも利食い売りがチョコチョコ出てきて、何度も103.50近辺を攻めた。私としては売りのストップ注文を置いてあるのだから腹を据えているつもりではあるが、それにしてもフェイバーである時間があまりにも少ないので、たいへん腹立たしい思いだ。そしてグローベックスでの米国株もすでに大幅上昇をしてしまっているので、ここからさらに一段高をするのは困難かもしれないと思うと不安になる。マーケットはすでに米国待ちの状態。
ニューヨーク勢も盛んにリスクテークで参入してきた。私としては助かった。すでに日付も変わりそうだ。このユーロ円のロングポジションは5時間以上も持っている。なんとか104円台に向けての動きに弾みがついてきたので、私は昼間の高値を意識して、104円台に乗せたら速攻で利食い売りする。最悪、到達しなくても103.90とかでもよい。そう思っていると何とか104.01で売ることができた。とにかくトレンド方向では多くのプレーヤーが同じ方向に短期的にポジションを積み上げるので、簡単にはトレンドに沿った方向に動かない。むしろポジションの反動のほうが値幅も大きく、スピードも速いものだ。それがわかっていても飛び乗ってしまった今回のトレードである。たいへん苦労した。
ニューヨーク時間ではリスクフルの状況で、ユーロ円も高値を抜けてきた。ニューヨーククローズ後にさらに盛り上がって104.32まで上がった。このステージではドル円も上昇。アジアのアーリーバーズがリスクテークが続くという想定のもと、円売りに励んだのであろう。しかしいきなりフランスが格下げされた。以前にS&Pによってフランスは格下げされていたので、今回のようにムーディーズがダウングレードしてもあまりサプライズとは言えない。しかし先週末から継続しているリスクオンの状況が、短期的に巻き返されることとなるには十分だった。ユーロは急落し、株価も落ちた。
このフランスに関する動きは、今晩の欧州市場を見るしかわからない。リスク回避の動きもそこそこで、再び欧州株などが反発に向かったりするならば、ユーロ円やユーロドルでは押し目買いをしたいところだ。すでに欧州序盤ではユーロドルは1.27台から1.28台にまで戻してきている。株価の低迷は続いているが、私は今晩もリスクオンの方向で攻めたいと思っている。
日本時間18時30分
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