昨日はアジア時間でドル円は88円台をやっていたのに、中国の景況感のデータが出たあたりからリスクテークの流れとなって、円売りが急がれることとなった。ドル円は89円台に乗せてきても、なおも堅調。
政府筋からまた「100円でもいい」などとコメントが出てきたが、これは前回の焼き直しのようなものなので、マーケットはアクティブには反応しなかった。それでもドル円やユーロ円の堅調な地合いだけは継続しており、ドル円は89円台のミドルで、ユーロ円は119円台に乗せての欧州入りとなった。
ドイツのPMIも予想よりも良くて、欧州の景況感も底打ちの兆しがあるのではないかとの楽観的な見方が広がって、リスクテークの流れはますます強まった。欧州株は大きくへこんでスタートしたのだが、かなりの勢いで巻き戻している。
私としては株価の下落局面でドル円かユーロ円でも売ってやろうと思っていたのに、こうなってはなかなか売り込みづらい。ドル円もユーロ円もほとんど押し目らしい押し目も作らずに、ひたすらジワジワと上がっていって、高値圏を維持したまま、ニューヨーク市場へシフトしていった。
ダボス会議でメルケル首相が日本の為替政策が操作的ではないかと、明らかに懸念の意を表明した。それでもドル円の相場での反応は10ポイント程度下げたのみ。すぐに米国株が始まると、上伸してスタートしたものだから、再び円売り圧力が高まった。
ドル円は90円ちょうどの手前まで来てしまい、いつ今年の最高値である90.24を狙ってもおかしくない状況となった。最近はよくニューヨーククローズ後の、アジア時間早朝で円相場は大きく動くことが多いので、私は早く起きて相場に参加しようと思った。
朝は5時半くらいに起きた。画面を見るとドル円は90円台に乗っている。しかも高値は今年の高値であった90.24あたりまでだ。いちおうは重要なテクニカルポイントとして効いているようだ。ここまできたら作戦としては90.20あたりで売って、90.28でロスカットで試すしかない。
そう思って注文を入れようとしていたら、ドル円が急激に上がりだした!90.25を越えてきて、買い戻しのストップ注文が続出しているようだ。こんな状態で売るわけにもいかない。ドル円はそのまま90.55あたりまで上がってしまい、結局、このステージでは手を出せなかった。
ジョージソロスが「ユーロが上がり、円が下がるのは当然」というようなことを言ったらしい。ダボス会議が開かれている最中であるので、そうした突発的な発言にも注意はしていたところだ。しかしメルケル首相の懸念には反応薄で、ソロスの観測には過剰に反応するということは、市場自体が高くなってしまったドル円を買いたくてしようがないのだろう。
その後、下がっても、それまでの高値であった90.24を下回ることはなし。「昨日の高値は今日の安値」になってしまった。そして朝の9時前にも邦銀勢中心のドル円の買い上げがあって、90.68まで高値を拡げた。そこで体力を使い果たしたものか、東京時間のコアタイムでは値動きはおとなしかった。
今晩も欧州時間の入り際でのドル円の動向が重要度を増している。またニューヨーク時間でも高値圏にステイしている米国株の動きとともに、リスクのありように絡んで円相場の動きは注意を払ってウオッチしなくてはいけない。
ドル円の節目は、上は言うまでもなく、本日の高値である90.68。そこを越えたら、スモールポーションでも買いでついていってもよさそうだ。また下のポイントは昨日までの高値であった90.24だ。そこまで来たら、元の水準に戻ったということで、以降の高値追いにはおいそれとついていってはいけないことを示唆することになりそうだ。
日本時間 16時00分
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