日のアジア時間では月曜日の極端なリスク回避の反動もあって、ドル円もユーロドルも大きく戻してきた。ドル円は95.70あたりまで戻していたし、ユーロドルも1.29台の後半まで戻していた。果たしてキプロス問題はどのように決着していくのか。
欧州時間での注目はキプロス議会の動向。欧州株も強力にリバンドして始まったが、時間の経過とともにリスク回避の姿勢が強まった。いろいろなウワサや報道が飛び交ったからだ。キプロス財務相が辞任の意向を示したとか、与党が法案の採決を棄権するのではないか、などなど。
ドル円もユーロドルも上昇には歯止めがかかったが、それでも95円台を割り込むことはなく、1.29台を下回ってくることもなかった。私としても、もうちょっと成り行きを見たいと思った。夜中の3時過ぎにはキプロス議会の採決が行われるとされていたからだ。あまり楽観して取り組むのは良くはないだろう。
ニューヨーク市場でも米国株は値を崩すこともなく始まったが、そうした報道が重なってくると次第に失速。とくに為替相場では1.29台の後半まで戻していたユーロドルも1.28台まで落ち込んで、いよいよ不安に火を注ぐ形となった。続いてドル円も94円台へ突入した。
結局、キプロス議会では預金課税の法案は否決されてしまった。賛成票はゼロである。これで米国株は前日の安値近辺まで落ち込んだが、ユーロドルは急落ということにはならなかった。安いには安いのだが、とても1.27台とかまで突っ込む勢いが見られない。そしてすぐにECBが資金供給をするという発言をしたので、ニューヨーククローズに至るまでにはユーロドルやドル円もやや値を戻した。
本日は日本が休み。だからアジア時間ではダイナミックな動きはないだろう。キプロスは銀行取引や証券取引が停止されているので、今晩も海外市場が要ウオッチだ。法案の形が定まるまでは安心していられないからだ。欧州財務相会合からの意向では、妥協できるのは低額の預金者への課税免除までだろう。
それ以上の妥協を期待している向きもあるので、そうでなかった場合のリスク回避が恐れられる。その結論や方向性が見えてくるのが今晩における最大のヤマ場となるだろう。またキプロスに大きな資産を抱えているロシアから発言にも注意したいところだ。またFOMCもあるので気をつけてかかりたい。
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