昨日のアジア時間では、ドル円はまったく動かなかった。ずっと99.80台でやっていた。前後20ポイントも動かない時間が続いた。たしかに先週末のレベルよりも上がってはいる。しかしこれはG20の結果を受けての週明けの相場に期待されていたものとは違っていた。やはり早々から100円台に乗せてくることを誰しもが考えて行動していた。それなのに高値張り付きのまま動かなかったのである。またしても近そうで遠い100円ちょうどであった。
アジア時間でも一瞬はドル円がゆるんだ局面もあったが、欧州序盤では再び99.80レベルに押し上げられてスタート。私も100円到達は時間の問題として考えているが、やはり大台なのでテクニカルでいうところの心理的な節目の効果が無視できない。そこで99.82で売ってみて、100円ついたらやめるという作戦にすることにした。テクニカルポイントを重視してのことであって、まったくブルかベアかは関係がない。それに100円ちょうどを通過する瞬間に、なにも持っていないのは悔しいからだ。
為替相場の関係者として軽視できないのが、実需企業の為替予約の状況と、生損保など機関投資家の外貨投資である。これは継続的に出てくるフローを考える上で、たいへん参考になる。昨夕に日本生命が今年度のプランを発表した。円の金利が安いので、もっと外物に積極的に振りかえるという内容だったが、ここまでは想定の範囲内だ。これだけ円安が進んでいるのだから、ポートフォリオの外貨ポーションを増やして当然であろう。
問題はすでに100円に乗せなんとしている現在の水準をどう考えているのかということ。もっと上を見て、どんどん買っていくのか。それともちょっと待って押し目を買うスタンスで臨むのか。言葉は濁していたが、やはり現在の水準ではドルもユーロも買いたくないようだった。このコメントでもっと反応するかと思ったが、マーケットはほとんど動かずだった。
ニューヨークオープンに向けてドル円はやや軟化してきたが、99.50あたりはなかなか割れなかった。私のドル円もフェイバーではあるが、この程度では簡単に元のレベルにまで戻される。下がってきた理由は、米企業決算の一部が悪かったからで、それでもドル円相場が崩れるというほどのこともなかった。
しかし中古住宅の指標は悪かった。改善傾向にあるとされてきた住宅のデータだけに、その反動も大きくて、米国株は大きく上がっていたのに、いきなり急落。リスク回避を迫られて為替相場も円の買い戻しバイアスが強まった。ドル円は戻りを作らずに急落し、瞬間的に98円台まで突入した。
私はもっと行くとは思っていたが、やはり戻りの99.18で買い戻さざるをえなかった。底値から20ポイント級の戻しがあれば、やはりいったんは手じまいすべきであろう。その後はもう一度、98円台の突入はないものかと構えていたが、99円台の前半でおとなしくなってしまい、私も寝てしまった。
今日のアジア時間では中国の景況指数が悪かった。これを境にリスクオフに。ドル円も99円台を割り込んできた。私も昨日の安値を割りこんできたところでドル円を売り込んでみた。98.95だ。さすがにビッドもたくさんあるようで、一気には下がらなかった。それでも昨日の安値である98.99が戻り高値のキャップとなって、それ以上は戻らなかった。私も99.05で買い戻しのストップ注文を置いて、なりゆきを見守っている。
しかし欧州時間に入るとユーロが急落となった。ドイツの経済指標が悪かったようだ。昨日にニューヨーク連銀総裁が、欧州の経済見通しについてさほど明るくないとコメントしてユーロドルは1.30ちょうど近辺まで下げたが、なんとか持ちこたえて大台はキープした。さすがに1.29台に突入して、ユーロ円も127円台を見ることに。ドル円もツラれて下がってはいるものの、98円台ミドルまでで小動き。
さて今晩も新築住宅販売という住宅関連の指標が出る。昨日、悪かっただけにマーケットは相当に神経質になると見られる。発表の23時前にリスクヘッジの動きが強まるかもしれない。だがその後は静かな動きが続くであろう。というのも、なんといってもこのアベノミクスの間中、ずっと株価が下がってきているアップル社の決算発表があるからだ。この6カ月でおよそ半分になってしまったアップル株だけに、今後のリスク動向を見ていく上でも重要である。
日本時間 17時50分
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