昨日の欧州序盤でのドル円は99円台の中盤で、上にも下にも行きにくい状況であった。アジア時間に99円台の前半から上がってきただけに、そもそも売りにくい。しかしだからといって、バーナンキ議長の議会スピーチを控えてドルを買って行くもやりづらい。どうせ発言の内容は緩和の継続を支持するものであることは間違いないのだから。そして迎えた議会証言である。
スピーチの前に事前に配られたペーパーが公開された。やはり同じことしか言っていない。「緩和縮小は年内に、そして停止は来年の半ば」と何ら従来と変わるところはない。マーケットは素直に緩和継続の部分を好感したようで、長期金利の低下が鮮明になって現われた。
ドル円は30ポイントほどもすぐに落ちて反応したが、そこからは遅い値動き。99円台前半まで押し込まれたが、いかにもビッドのほうが多いという感じで、ストンと落ちるような局面はなかった。走らない以上、私としてもこんな狭いレンジ取引にいるうちに追いかけて売って行くことはできなかった。ドル円は99円台をキープ。
ドルがあまり下がらないので、今度はドルのショートカバーが入ってきた。ドル円は99円台の後半まで戻されて、ユーロドルは1.30台まで下落。金融緩和の目的である株価はどうかというと、ニューヨークオープンからずっと動いていない。すでに歴史的な最高値の近くにいるので、高値警戒感もあるのだろう。
これではリスクのありようがどうのと判別できる状態ではない。あまり面白くないので、ニューヨーククローズでもまた見ることにして、寝てしまった。そして朝、画面を見てもドル円はやはり99円台のままだった。米国株もほとんど動いていない。アメリカの長期金利は確かに下がったが、特筆すべきほどでもない。つまりドル売りの強力な要因にはなりえないということだ。
ドル円の膠着状態が続いているのも、米国株の歴史的な高値を更新するまであと1%もないのに、その手前でモジモジしていて動きにくくなっているからだろう。このほんの数ポイントを上がり切れば、ドル円も101円台までサイドの上昇ということになるのだろうし、ユーロ円も132円あたりが見えてくる。ちょっと夏枯れ感もあるので、ドル円もユーロ円もレンジ相場が続くのかもしれない。
今晩もアメリカの企業決算や経済指標がいくつか出てくる。しかしバーナンキ議長の証言でもあの程度の動きだったのだから、それ以上のダイナミックさを期待するのは難しいのかもしれない。本日の議会公聴会はあるが、昨日と同じことだろう。アジア時間に100円台にも乗せてきたが、高値追いの勢いもない。99円台をコアレンジとして、98円台か100円台で逆張りという作戦が有効なのかもしれない。
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