ザイFX! - 初心者必見のFX総合情報サイト

志摩力男_グローバルFXトレード
----年--月--日(-)日本時間--時--分--秒
持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

ドル円は99円台まで上昇、
いつか来た道に見える新興国の通貨安

2013年08月23日(金)16:06公開 (2013年08月23日(金)16:06更新)
持田有紀子

【ヒロセ通商】ザイFX!限定 最大11000円キャッシュバック実施中!

 昨日の欧州序盤では、ドル円は98円台に乗せて始まった。アジア時間に出た中国の景況指数が著しく改善していたからだ。それで日本株も安値攻めから反転し、堅調な展開に。そしてマーケット全体のリスク許容度が増大していくなか、ドル円も98円台に乗せてきたのだった。そしてアジアンクローズのあたりで出てきたドイツの景況指数も予想を上回るものだった。

 夜になってニューヨーク時間になると、きっとこれらが材料にされるなと思った私は、ドル円をスモール買っていった。すでに高くなっていた。アジア時間の高値は98.30あたりまでだったが、それをも越えてきた。仕方なく98.41でマイン。高いところを買って持っているのは怖いが、高くなっているのだからという安心感もある。10ポイントもアゲインストにいったら即座に切るつもり。

 ドイツが欧州全体のGDPの半分近くを占めるのだから、ドイツの景況感が良ければ当然のごとく、ユーロ圏の景況感も良いはず。少し遅れて発表されたユーロ圏の景況感も予想を上回るものであった。それでドル円は一段高。98.80近くまで上がった。私は上がってきたところを調子に乗って98.69でも買い増したのだが、トップをつけた後に実際に売りにいったのは98.70。買い増しの妙は得られなかったことになる。その後は若干ドル円は下がったものの、押し目は浅い。

 ニューヨーク時間ではほとんど動かずだったが、今日の朝になってドル円が昨日の安値を上抜けしてきて、99円台に乗せてきた。それでも99円台にはたくさんのオファーがあるようで、一撃でブレークというわけにもいかず、オファーをこなしながらといったところ。欧州勢が参入してくる頃には、日米ともに株価の伸びも一服している。ちょっとドル円やユーロ円でリスクテークの方向、すなわち上値追いするにはちょっと苦しい状況だ。

 さて、昨今は新興国の通貨安が大きな問題になっている。これまでずっともてはやされてきたブラジルやインドでも、たまりかねて自国通貨買いの為替介入を行っている。エジプトのような騒動の当事国ならまだしも、トルコリラも安くてたまらずに金融当局の買い支え出動している事実がある。これは日本の円安政策に引きづられての側面が強いことを忘れてはいけない。

 

 なんだか思うに、これは過去に来た道に似ている。ドル円が100円を割り込んできて円高だと騒ぎ、1995年の春にはドル円が80円をも割り込んだ。その後、ミスター円なる財務官が大量に実弾介入して底割れは防いだが、1996年の春には110円台まで上昇。株価も14000円台の前半から2万円乗せまで上がった。

 株価は持ち直しには良かったのだろうが、急激な円安は他の国、特にアジアの近隣諸国を苦しめることにつながる。その翌年の1997年の夏には香港から発したアジア危機。インドネシア、フィリピン、タイに伝播し、冬場には韓国に飛び火。ほとんどのアジア諸国がIMFの管理下に入った。1998年にはいるとロシアまでおかしくなり、国債の償還がデフォルトしたほどだ。

 その間、日本の国内事情も悪い。大手の証券会社が倒産したり、半官半民の政府系の銀行もなくなった。そしてついにドル円は147円台までのぼりつめた。ここで折り返すとは誰も思っていない状況だった。これまで80円台から110円くらいまで押し上げ介入をしてきたのだし、140円台を越えた状態になってからは純然たる日本売りのファクターも加わっている。

 しかしそうしたドル高、円安、及び当時の通貨であるマルク安は、他の国へ与える影響が大き過ぎる。それまで「強いドルはアメリカの利益」を繰り返していたルービン財務長官も、日本といっしょにドル売り介入することで一致した。榊原財務官も最後の最後でドル安のマニピュレートに手を貸したことになる。

 ドル円はその直後から明確なダウントレンドになった。1日に10円も落ちる日すらあった。しかし結局は、ドル安が世界を救ったのかもしれない。それ以降のアジア新興国の立ち直りは目覚ましいものがある。

 今回のアベノミクスでもたらされた円安が、日本経済の問題だけに留まっているうちはいい。それが今回のように外国の経済にも間接的に悪影響が及んでくるようになると、これは15年前を同じ道を繰り返すのではなかろうかとちょっと危惧の念を抱く。ちなみに15年前はITバブルという時期がすぐに続いたために救われた。今回は金利や為替の調整だけで済むのかどうか…。15年前の再来で、他国を救うために、アメリカなどからの要請でドル売り介入を手伝うことになってしまうことになるかもしれない。

日本時間 15時30分

 


 


8つの項目で「おすすめのFX会社」を比較!
キャンペーン比較
スプレッド比較
スワップ比較
自動売買比較
MT4
TradingView
CFD
バイナリーOP
【2024年12月】ザイFX!読者がおすすめするFX会社トップ3を公開!
【総合1位】 GMOクリック証券「FXネオ」
GMOクリック証券「FXネオ」の主なスペック
米ドル/円 スプレッド ユーロ/米ドル スプレッド 最低取引単位 通貨ペア数
0.2銭原則固定
(9-27時)
0.3pips原則固定
(9-27時)
1000通貨 20ペア
【GMOクリック証券「FXネオ」のおすすめポイント】
機能性の高い取引ツールが、多くのトレーダーから支持されています。特に、スマホアプリの操作性が非常に優れており、スプレッドやスワップポイントなどのスペック面も申し分ないため、あらゆるスタイルのトレーダーにおすすめの口座です。取引環境の良さをFX口座選びで優先するなら、選択肢から外せないFX口座と言えます。
【GMOクリック証券「FXネオ」の関連記事】
■GMOクリック証券「FXネオ」のメリット・デメリットを解説! スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介!
▼GMOクリック証券「FXネオ」▼
GMOクリック証券「FXネオ」の公式サイトはこちら
【総合2位】 SBI FXトレード
SBI FXトレードの主なスペック
米ドル/円 スプレッド ユーロ/米ドル スプレッド 最低取引単位 通貨ペア数
0.18銭 0.3pips 1通貨 34ペア
【SBI FXトレードのおすすめポイント】
すべての通貨ペアを「1通貨」単位、一般的なFX口座の1/1000の規模から取引できるのが最大の特徴! これからFXを始める人、少額取引ができるFX口座を探している方は、絶対にチェックしておきたいFX会社です。スプレッドの狭さにも定評があり、1回の取引で1000万通貨まで注文が出せるので、取引量が増えて稼げるようになってからも長く使い続けられます。
【SBI FXトレードの関連記事】
■SBI FXトレードのメリット・デメリットを解説! スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介!
▼SBI FXトレード▼
SBI FXトレードの詳細はこちら
【総合3位】 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の主なスペック
米ドル/円 スプレッド ユーロ/米ドル スプレッド 最低取引単位 通貨ペア数
0.2銭原則固定
(9-27時・例外あり)
0.3pips原則固定
(9-27時・例外あり)
1000通貨 30ペア
【外為どっとコム「外貨ネクストネオ」のおすすめポイント】
業界最狭水準のスプレッドと豊富な情報で、多くのトレーダーに人気のFX口座です。FX取引が初めての初心者から、スキル向上を目指す中・上級者向けまで、各自のレベルにあわせて受講できる学習コンテンツも魅力です。比較チャートや相場の先行きを予測してくれる機能など、取引をサポートしてくれるツールも充実しています。
【外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の関連記事】
■外為どっとコム「外貨ネクストネオ」のメリット・デメリットを解説! スプレッド、スワップポイントなどの他社との比較、キャンペーン情報や口座開設までの時間、必要書類も紹介!
▼外為どっとコム「外貨ネクストネオ」▼
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の公式サイトはこちら
※スプレッドはすべて例外あり。この表は2024年12月2日時点のデータをもとに作成しているため、最新の情報とは異なっている場合があります。最新の情報はザイFX!の「FX会社おすすめ比較」や、各FX会社の公式サイトなどで確認してください

総合ランキング4位~10位、「取引コスト(スプレッド)」「スワップポイント」「初心者におすすめ」などの主要な項目ごとのランキングは、以下の記事をご覧ください。
【※関連記事はこちら!】
FXトレーダーのリアルな声を反映! ザイFX!読者が選んだ「おすすめFX会社」人気ランキング!

■持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」の関連記事

セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」
人気のザイFX!限定タイアップキャンペーンをPickUp!
FX初心者のための基礎知識入門
バイナリーオプション比較 キャンペーンおすすめ10 人気FX会社ランキング
バイナリーオプション比較 キャンペーンおすすめ10 人気FX会社ランキング
『羊飼いのFXブログ』はこちら
↑ページの先頭へ戻る