昨日はドル円のショートを99.91で作って、欧州序盤を迎えた。これは100円ちょうどは近くて遠いはずであるという思い入れによるもの。99円台の後半からロングにして攻めたくない以上、何をするかとなると、100円ちょうどにストライクがたくさん溜まっているだろうことに期待するしかない。
つまりそこにはオプションのデルタヘッジとしょうして、かなりのオファーがあるだろうと想定するのだ。もちろんそんなものは想像の域を出ないのであって、抜けたらロスカットする。ただストップアウトするにも距離が近いので、ダメージは少なくてすむのが利点だ。
ナイトセッションで日経先物が14000円の大台を割り込んできた。特に材料もないので一時的なポジションの調整だと思われるが、それでもリスク回避を意識してのドル円の売りも出てきた。99.75を下回ってきたので、追撃売りをした。私はそもそもあまり動かないと思っているので、ちょっとした動きでも捉えて細かくディールしていかないといけないと思っている。
通常であれば15ポイントのフェイバーな状態だけで追撃はしないのだが、ともかくもドル円の地合いは強いはず。逆に戻るときは一気に買い戻すためにも、ポジションは日ごろよりも大きいほうが買い戻しに出やすい。100円突破がダメだった直後だけに、ひょっとするとこのまま大きな下げになって大相場を演じるかもしれない。そういう虫のよい解釈をしながら、15ポイント下がるごとに売り増していこうと思った。
そうすると99.60もギブン。そこで当初の方針通りにさらに売り増した。しかし結果的にはここが底だった。それでもポジションが大きくなっていた分、アゲインストムーブには実に敏感になっている。おかげで99.67で全部を買い戻すことができた。そのままドル円が下攻めになることはなかったが、まあ仕方がない。
この時間帯に黒田総裁の会見が始まり、消費税の増税で悪影響が出てくれば財政も金融も出動するといったことで、ややリスクテーク気味になったからだ。ドル円は急速に反発し、ついに100円台に乗せてきた。それでもやはり100円台の前半は重そう。今度は100円台で売ってみた。10ポイントアゲインストで損切るつもりで。
夜にはいろいろとイベントがたくさんあるので、今度は売り増しをしない。念願の100円台回復なのだから、次々に買いが買いを呼ぶ展開が想像される。99円台に下がってきたら、すぐに買い戻すのだ。100円台はあまり値保ちしなかった。すぐに99円台に戻ってきたので、とりあえず買い戻してクローズ。なんだか欧州の金利会合やアメリカの経済指標の前に体力の多くを消費してしまったようでもある。
注目のADPは予想の18万人増を若干、下回った。それでもそんなに増加しているのかという思いがある。これでは9月FOMCでの緩和縮小もありうるだろう。それに加えて非製造業の景況感も良かった。アメリカの長期金利は上昇のピッチを速め、10年ものの利回りは3.0%乗せギリギリのところまで上がった。これがドル買いの要因にもなった。
またドラギ総裁が会見のなかで、ユーロの利下げも議論したと公表したことによってユーロ売りが強まった。ユーロ円もユーロポンドも急落。ユーロドルは1.31台の前半まで押し込まれた。ニューヨーク時間の午後はほとんど動かなかったが、ドルが全面高で、そのまま高値圏でニューヨーククローズを迎えた。
さて今晩は雇用統計。9月FOMCで緩和縮小するかどうかの判断材料の最後のものとなる。規模は小さくでも緩和縮小は避けられないだろうというのが市場のコンセンサス。それを動かすことができるかどうか。予想ではペイロールは18万人増。予想と同じか良いのであれば、文句なく緩和縮小へ。15万人を下回ってくるとわからないといったところ。
とにかく今日のアジア時間で米国債の10年ものの利回りが3.0%の大台乗せを果たしている。金利上昇がドル高要因になるステージはそろそろ過ぎてきており、これからはコスト増によるマイナスがリスクオフにつながる可能性も顕在化してくるだろう。長期金利が上昇していても、株価が下がっていればドル円のショートで臨む。
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