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田向宏行
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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

再び101円台に突入のドル円、
じっくりとクロス円の調整には乗りたい

2013年12月05日(木)15:22公開 (2013年12月05日(木)15:22更新)
持田有紀子

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 昨日の欧州序盤はドル円が102円台の後半まで戻してのスタートとなった。前日に瞬間的に101円台を覗いている。ちょっと103円台で戦っていたのが、そのシコリの残存だけがきにかかる。当然、ドル円が戻っても103円台は相当に重いはず。ドル円の上昇を許すのは株高などによるクロス円の上昇の際だけでだろう。ユーロ円が再び140円台に乗せてくるなどしない限り、ドル円は戻り売りがよいと考えられる。しかも米国株は小幅ながらも、3日続落中。ここから反転すると考えるのは、なかなかに無理がある。

 そういうわけで103円台に乗せたらドル円を売ろうと構えていたが、なかなか上がらない。むしろ下がってきた。ユーロドルも1.36台に乗せたがっているようだし、ドル売り方向で進んでいるのだ。時間外取引での米国債が上昇しているわけでもなし、ドル売りの材料は見当たらない。欧州株が軟調だといっても、激しく下がっているわけでもない。見ているうちにドル円は50ポイントも下がってしまった。これでは103円台どころか、また101円台に突入するのでと思えてきた。

 ではADP指数を見てからにしよう。結果が良ければ多少なりともドル高になって、ドルの売り場を提供してくれるだろうし、悪ければドルが下がっても、そこからでも売っていける。また金曜日の雇用統計までそのムードは続くだろうから、ドルショートは結構、引っ張れるのではないかという期待も出てくる。

 期待して待っていたADPだったが、その15分ほど前に安倍首相が「TPP交渉は厳しい」と弱音にも見えるコメントを出した。困難なのは事前から周知なのに。それでナイトセッションで日経先物は大きく落ちた。昼間にすでに大幅下落と言っていたが、このステージだけで200円幅も急落した。これからADPが出るというのに、マーケットの興味が半分以上、そっちのほうに行ってしまった感じだ。ドル円もリスク回避で102.30あたりまで落ちた。

 そしてADP.結果は20万人台の増加となり、事前予想を大きく上回った。ドル高にはなったが、発射地点が低かったため、ドル円の戻しは102.65あたりまで。なんとなく拍子抜けだ。この後はISMの景況感や新築住宅の指標も出たりはしたが、コアレンジは102.30から102.60。攻めるどころではない(涙)。

 なかなかドル円のショートができずにいたので、フテ寝してしまった。朝起きて画面で夜の動きを確認すると、ドル円は再び101円台突入していた。ああ、もうちょっと粘っていれば良かった。ニューヨークのランチタイム暗いからドル安に転じたようだが、とくにドル売りとなる材料も出ていない。長期金利は上昇しているのだから、これ自体はドルを買っていってもいい材料だ。あとは前日からのシコリという需給要因しか見当たらない。米系ファンドが売っていたということも聞かれたが、果たして本当かどうかはわからない。

 さて今晩はECBの金利会合がある。前回は利下げしてサプライズだった。今回はドイツのCPIがプラスになったこともあり、小幅な利上げでもしたらサプライズになる。しかしコンセンサスの通り、たぶん何もやらないのだろう。ちょっと米国株をはじめ、世界的に株価の調整時期が近付いているようだ。

 それに合わせてクロス円も調整時期を迎えるかもしれない。私としてもユーロ円の140円に限りなく近いところでは、ちょっと長めのポジションのつもりでショートで構えてもいいのではないかと思っている。それだけ先日の140円ちょうどからの跳ね返しはきついものがあった。


日本時間 15時30分
 


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