ポルトガルのBES銀行のデフォルト問題で、にわかに欧州の信用不安が再燃した。それを引きずっての先週の金曜日。欧州序盤ではドル円は101円台の前半で、いつ100円台に突入してもおかしくない状態であった。その前日の安値は101.08までだったので、当面の目標はそこである。
いっぽうユーロ円の安値は137.50までで、これまたいつ割り込んでもおかしくないところだ。どちらもこの下値のサポートを割りこんできたら、今年の最安値まであと1円もないくらいだ。ドル円もユーロ円も下サイドが気になっている動きであるということは、マーケットではリスクオフの流れが主流になっていることの裏返しだ。
欧州時間ではBESの動向に注目が集まった。私も場合によっては、リスク回避で攻めるつもりだった。場合によってはというのは、為替相場が朝からあまり動いていないからである。ドル円などは、10ポイントほどの動きしかない。したがって積極的にポジションを作ろうという気になれない…。やはり欧州の動向を見てから、ということになるだろう。
しかし思いのほか、マーケットに動きはなかった。欧州時間の前半は債券高など、リスク回避の方向に触れそうになったが、ニューヨーク勢の参入以降はややリスク許容度の持ち直しが見られた。BESが親会社への融資も含めると、自己資本不足には至っていないと主張したので、それが市場の安心感をもたらしたようだ。
株や債券がとりあえずは前後には動いているのに、なかでも為替相場だけは反応薄だった。ドル円は10ポイントも動いていない。ニューヨークの午前が終了した段階で、ああこれはもうこれ以上は動かないだろうと見て、私は早々に寝入った。
今週も株価の下値不安を抱えたままの相場展開が続きそうだ。特に注意を払わなければいけないのは円相場の動向である。スピードはないものの、ドル円もユーロ円も下がってきて、今年の最安値にかぎりなく近づいてきている。
これらが一段安するのはリスク回避のトリガ-となるかもしれないし、債券相場が高いのも気がかり材料だ。外部環境はリスクオフを指示している。しかし今日のアジア時間には、イスラエルがガザ地区に地上軍を展開するのではみられてのが、承認見送ったという報道が出てきた。
ドル円の下落はちょっと止まっている感じとなった。まずは欧州勢の参入を待ちたいところだ。また今週の米企業決算の本格化の手始めに、シティグループの決算が今晩出る。
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