先週の金曜日は、東京クローズの後に日銀筋の話で物価目標が到達しそうだということが伝わり、それで追加緩和の期待が薄まる局面があった。つまり円の買い戻しが起こったのである。値幅は小さいがそれまでの日中の安値を下回ってきて、119円台の前半まで押し込まれてきた。ドルが下がっているということで、同時にユーロドルも上がってきた。前日に切り返して上がってきたところのユーロドルだったので、追随買いのユーロ上昇も見られた。
私もこのステージでユーロドルを何度か買ってみたりした。すでに1.08台の後半まできているので、高値警戒感が出てきているし、ここ最近のレンジの上限も近付いてきているのだ。長くはユーロロングを持っていられない状況だ。10ポイントか15ポイントでも取れたら、いったんは利食い。それを繰り返していくしかないレベルに達している。
注意していたが、今度はユーロドルが急速に下がってきた。EUの財務相会合では、ギリシャ問題に解決のメドが立たず、5月まで先延ばしにするという情報が流れてきたからだ。それまでギリシャ問題が紛糾しても崩れることのなかったユーロ相場だったので、ちょっと市場全体もナメきっていたのかもしれない。100ポイント近くも急落したが、それでも1.08台を割り込むことはなかった。私も最後のトレードでは損切りを強いられて、しばらく次の出方を見ることにした。
ニューヨーク時間の開始とともにドル売りが再開。ドル円は119円台割れを狙う。118円台に突入したら私も売りこんでみようかと思っていたが、私が見ている間はその機会は訪れなかった。寝てしまったが、その後の値動きは乏しいものであった。ドル円もユーロドルも20ポイント前後の動き。しかしドル円は118円台で週を終えてしまったので、翌週からのドル売り圧力が増大するのではないかとの見通しも出てきた。
外部要因を考えると、米国株は歴史的な最高値の近くに張り付いている。いつ記録を更新してもいい状況に至っているが、ここまで来ると妙に歩みが遅くなる。それだけテクニカル的にも相場の引っかかりどころとしてワークしているということなのだろう。米企業決算が一段落したところでもあるので、ここからポジション整理というか利食い売りも出やすくなるのかもしれない。
10年債の利回りが0.07%まで急低下して、計算上のマイナス利回りもついてしまうのかと危惧されたドイツ債だったが、先週は利回りが上昇してしまっている。こちらのほうは恐怖がちょっと遠のいた感じ。日本はゴールデンウィークに入るし、アメリカの雇用統計も来週末である。今週はマーケットでは動く材料に不足しそうだ。
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