昨日は日本が休みだったが、海外で材料が豊富だった。欧州時間ではドイツ国債が急落したので、マーケットでは金融緩和はやはり効かないのではないかとの憶測も流れてリスク回避の流れが強くなった。そもそもの原因はドイツ連邦債の5年ものの入札が不調だったからだが、ゼロ金利に限りなく近いクーポンレートしかついていないものに投資など本当はしたくないはずだ。5年もフィックスさせておくならば、銀行預金のほうが流動性が高いからだ。
元本が減らないためというならばタンス預金でもよい。新発債でマイナスのクーポンになってしまうと、そんなものに投資する人は全くいないことに気がつかなかったのだろうか。利回りがゼロ近辺まで買い進まれた長期債は、早晩、値崩れする運命にあったといえる。ちなみに既発債であれば調子に乗ってどこまでも高いところをトレーディングベースで買っていける。その結果としての保有利回りがマイナス転することもありうるが…。
債券市場でドタバタはあったが、為替相場のほうは欧州時間では値動きは小刻みだった。ユーロドルは1.10台に乗せてきたので、ちょっとは動意づくかと思いきや、それほど動かない。確かに1.04台まで突っ込んだ後の最大の戻し高値が1.1051で、それを控えているという側面もある。大量のオファーがその手前まで並んでいるのは容易に想像がつく。
またユーロドルは1.1051を上抜けしてくれば、ここ3か月分の買い戻しのストップロスが一気に出て、膿出しにかかることであろう。それだけの節目での振る舞いがわかっているだけに、私も1.1035アッパーでは売ってみたいと感じている。そして損切りは1.1055である。
マーケットのセンチメントが悪くなって迎えたのが、アメリカのGDPである。そしてこの結果は悪かった。プラス0.2%だったというから、ちょっと間違えばマイナス成長だったということになる。第一四半期がこれであっては、果たして年間の成長がプラス3%も見込めるものかどうか。あまりにも悪すぎて、とても悪天候や港湾ストのせいにするのもだ。
ファーストアクションでは株安、金利安、そしてドル安と、教科書的に反応した。私のユーロドルはオファーもストップロスも同時にダンになったようなものだ。最初のラリーではユーロドルは1.1070あたりまでで不発かなと思わせたが、2回目の噴きで1.11台までプッシュアップ。欧州債が値下がりしているところへもってきてアメリカのGDPが悪かったことで、ドイツ株は大幅安となっている。踏んだり蹴ったりである。
夜中はFOMCだった。今回はあまり注目を集めてはいないが、利上げ時期について何か言うかもしれないということだけが関心事だった。発表直前まではドル安が強まった。ドル円は118円台のミドルまで、ユーロドルは1.11台の後半まで上がってきていた。FOMCの声明文の中では「6月利上げはしない」ということが抜けていたので、もしかしたら6月利上げはすでに既定路線になっているのではないかという観測が立った。
そしてドルは買い戻しで反応した。ユーロドルは1.1075あたりまで下がりはしたものの、それまでのレンジスタンスであった1.1051までは届かなかった。ネックラインとなっているようだ。そしてユーロドルは1.11台まで戻ってきてのニューヨーククローズとなった。
今回のGDPだけでFRBのスタンスが大きく変わるとは思えないが、GDPは材料としては大きいものであるだけに無視するわけにもいかない。ますます利上げ時期について混乱が見られそうだ。市場との対話を重視しているFRBとしてはミスリードしているように見えなくもない。
いよいよユーロドルは上サイドを攻めたくなってくるレベルになった。いうまでもなく1.1050アラウンドをバックにしての押し目買いに徹するのが基本であり、ユーロドルが1.10台に差し込んだときに買っていけるかが重要なポイントである。
日本時間 15時00分
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