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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

ユーロ/円は175円超え視野! 相互関税15%合意、日経平
均4万2000円台回復で円高は長続きせず。ECBの利下げサ
イクル終了で、ユーロ/米ドルは最終的に1.20ドル超えへ

2025年07月24日(木)15:50公開 (2025年07月24日(木)17:07更新)
西原宏一

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相互関税15%合意で日経平均は4万2000円台へ急騰! 為替市場は一時円高進行も、長続きしそうにない

 皆さん、こんにちは。

 今週(7月21日~)の米ドル/円は神経質に乱高下する展開となっています。

 まず、参議院選での与党大敗は、ある程度マーケットに織り込まれていた事。そして過半数には届かなかったものの、合計47議席を獲得したことで、米ドル/円は一時146円台前半まで反落しました。

 しかし、日本時間7月23日(水)早朝、トランプ大統領が日本と相互関税15%など以下の内容で合意したと突如発表。

● 自動車および自動車部品の関税は15%
● 鉄鋼製品およびアルミニウムの関税は50%で変更なし
● 米国産農産物の日本への輸入割合を実質的に拡大
● 日本が米国に5500億ドル(約80兆円)を投資

 この合意を受け、マーケットは株高で反応。日経平均は急騰し、7月24日(木)には一時4万2000円台を回復しました。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

 通常、こうしたリスクオンの環境下では円安も継続するものですが、為替市場では再び円高に。米ドル/円は一時145.85円まで反落しています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 これは、年内の日銀利上げ織り込み度が8割に上昇したことが要因と考えられます。

 ただし、先物市場の織り込み度が一時的に上昇したに過ぎず、日経平均が急騰している環境下、この円高が長く続くとは見ていません

 日経平均が4万2000円台を回復するリスクオンの環境にもかかわらず、米ドル/円がなかなか150円台を回復しない要因としては、日銀の利上げ観測に加え、ユーロ/米ドルが再び底堅くなってきたことが挙げられます。

ユーロ/米ドルは最終的に1.2000ドルをブレイクへ。ECBは利下げサイクル終了、ユーロ高牽制コメントはスピード調整目的と解釈

 前回のコラムで、ECB(欧州中央銀行)当局者の「ユーロ高牽制コメント」を受け、ユーロ/米ドルは一時調整局面に入るとご紹介しました。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円の150円超えは不可避か! 石破首相が「なめられてたまるか」と発言しているようでは、日米関税交渉は打開できず、日銀利上げが遠のくという円安要因が加わる(7月17日、西原宏一)

 実際、7月17日(木)のユーロ/米ドルは一時1.1557ドルまで反落しましたが、今週に入って底堅く推移しており、再び1.18ドル台をうかがう展開となっています。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 このユーロ/米ドルの上昇、すなわちユーロに対する米ドル売りは、米ドル/円の上値を抑える一因ともいえます。

 ユーロ/米ドルが調整を終え、再び1.2000ドルブレイクを目指す要因としては、まずECBの利下げサイクル終了が挙げられます。

 7月24日(木)のECB理事会では、金利の据え置きがコンセンサスとなっています。

 ECBはこれまで8会合連続で利下げを実施し、6月会合でも0.25%の引き下げが行われ、誘導目標金利は2.00%に設定されています。ラガルドECB総裁も6月会合後の会見で、利下げサイクルの終了を示唆しています。

 そしてもう1つの材料は、ECBのユーロ高牽制コメントが、水準調整ではなくスピード調整だと考えられていることです。

先々週のコラムから、ECBのコメントを抜粋します。

【※関連記事はこちら!】
米ドル/円は150円台を今月回復か! 関税が25%で頭打ちの可能性、ユーロ/米ドルの1.2000ドルの壁、夏季休暇前の投機筋の円ロング解消が、米ドル/円を押し上げそう!(7月10日、西原宏一)


1.20ドルまでのユーロ高見過ごせる、それ以上は複雑=ECB副総裁(7月1日)
欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は1日、対ドルで1.20ドルまでのユーロ高は無視できるが、それ以上の水準は複雑になるとの見方を示した。ブルームバーグTVのインタビューで「1.17ドル、1.20ドルでさえ、見過ごすことができない水準ではない」と指摘。「それ以上になると、かなり複雑になる」と述べた。
また追加利下げは「経済を助けることにはならない」とし、貿易やその他の政策に関する確実性が必要だと語った。
(出所:ロイター)


 ユーロ/米ドルは6カ月で1688pipsも急上昇しており、このECB副総裁のコメントはユーロ/米ドルの上昇スピードを抑えるためと、多くのマーケット参加者は解釈しています。

 ユーロ/米ドルは1.2000ドルを超えるのに一定の時間を要するかもしれませんが、ドイツが「ゲームチェンジ」している現在、最終的には1.2000ドルをブレイクすると想定しています。

【※関連記事はこちら!】
ユーロは「ゲームチェンジ」! ドイツの劇的な財政改革案を受け、ドイツ債が過去35年で最大の下落幅となり、ユーロ買いで反応。米ドル/円はトランプの円安政策批判で続落(3月6日、西原宏一)

ユーロ/米ドル 月足
ユーロ/米ドル 月足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/円の上昇トレンドは変わらず。昨年高値175.43円を早晩ブレイクすると想定

 結果として、ユーロ/円の上昇トレンドは変わらないと見ています。

 クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を牽引してきたスイスフラン/円は昨年高値の180円を超えて、一時186.04円という史上最高値を更新して急騰しています。

 この動きから判断すれば、ユーロ/円も昨年(2024年)の高値である175.43円を早晩ブレイクすると想定しています。

ユーロ/円 週足
ユーロ/円 週足チャート

(出所:TradingView


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