先週末は日本の国会で安保関連法案が通過するかどうかで騒がれた。ニュースはもっぱらそうした政治関連のものが多かったが、肝心のマーケットのほうはリスクオフの様相が強まった。そして依然としてちちらかに抜け出せる材料に不足していた。
そして待ちに待ったFOMCだったが、結局、9月利上げはできなかった。雇用状況は良いと判断しているので、後に残る問題はインフレ率。それが目標に達していないというのだ。利上げするのに全部の要素が好転しないといけないというのは、あまりにも保守的。かえって何もできないのではないかという印象すら与える。
そしてインフレ率などというものは2か月や3か月で変わるものではない。変わったところで、それは一時的なものとみなすべきであろう。そんな変わらないものを根拠にして利上げを見送ったのであれば、3か月後の12月に利上げはできるのかという疑問がわいてくる。
それがマーケット全体に不透明感を与えることになり、先週の後半は大きくリスク回避の行動を促されることとなった。ドル円は119円台の前半まで落ち込み、ここ最近のレンジの下限に到達した。
しかしニューヨーク時間ではドルの買い戻しが優勢となって、ユーロドルの下落が顕著になると、ドル円も120円台を触りにいくなど、ドルのショートカバーが目立った。
しばらく日本は連休だ。日本勢の動きは鈍くなるので、アジア時間ではあまり動かないだろうが、海外市場では株価動向が気になるところだ。もう一段安するのであれば、為替相場のほうでも円高を中心に調整を強いられかねない。海外市場からの動きを要ウォッチである。
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