先週の金曜日のドル円は、あまり動かなかった。木曜日に米国株が大幅安をしたのに、対してリスク回避にもならなかった。ドル円は122円台の中盤を底値に、どちらかというとしっかりとした動きだった。
原油相場も40ドル台まで下落してくるなど、リスク回避の方向にもっと動いてもいいのではないかと思われる局面もあったのだが、それでもドル円の下げ圧力は鈍くなる。ちゃんと反応しないものには安易に手を出すことははばかられる。私もついに何もできずじまいとなってしまった。
週末にパリで同時テロが起こった。これは先週末のニューヨーククローズと期を一にするものだった。それで今週になってからの週明けのマーケットの動向に注目が集まった。グローベックスは朝の8時から始まったが、思ったほども米国株は下落していなかった。日経先物も先週末のレベルが安値引けしていたのだが、そのレベルからは100円も下がっていない。
もうテロだけではリスク回避が大きく進む材料にされなくなってきているのかもしれない。質への逃避があっても、米国債が急伸しているというわけでもない。そしてリスク回避に弱いとされるドル円も、いまひとつ下げきらないである。そのなかでもユーロ売りはやや目立つ。やはり欧州の事件だからユーロを売っておこうということなのだろう。
あまり株価が安くもない始まりをしたアジア時間だったが、日本株は堅調だった。日経先物はすぐに先週末の終了レベルをも上回ってきたりもした。ぜんぜんリスク回避していないのである。
ドル円も朝だけ安くて、やはり122円台も割り込まないくらいだから、買いたい人の意欲を誘ってしまった。簡単に122.60あたりまで戻してきた。本当の安全への逃避があるかどうかは、夕方以降の海外市場を待たないといけないだろう。
今晩はもちろん欧州情勢に関心が集まる。フランスの金融市場は普段と変わらず取引するというし、ドイツ株を中心とした欧州株の行方を要ウオッチである。リスクオフの姿勢が強まれば、ドル円、ユーロ円を売りこんでいく。
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