昨日はアジア時間でもリスクテークし過ぎた分の調整が起こった。いかにも日銀の追加緩和に関して、過度に期待しすぎだったようだ。日経先物で1000円近くも上がるほどのことはできないかもしれないという恐れのほうが先行してきた。ドル円もいまだに111円台である。
これで何もしなかったら、まったくの期待外れということで、ドル円は107円台を割り込んでくるかもしれない。そして小出しにはしないといってきた黒田総裁の考えとも違う。ましてや1月にマイナス金利を導入して、そのせいかなるものをもうちょっと見守りたいとも言っているのだ。そこに期待するほうが間違っているというべきか。
昨日の欧州序盤では、ドル円は110円台の後半であった。安値を110.65近くまで攻めこんだものの、そのまま安値圏での張り付き状態であった。注目はドル円が安値を抜いて、さらに下攻めできるかどうかであった。すでにドル円の上サイドはやり過ぎだったのではないかと見られ、あまり興味の対象ではなくなりつつある。しかし実際にはドル円は実に堅調な動きとなった。
ドル円はすぐに111円台まで回復し、クロス円も高い。米国株などが経済指標が悪いものが並んだにも関わらず、あまり下げなかったというのが支えになっているのだろう。またもうドル円の上はないと考えて、上サイドが手薄になっていたのもあるのだろう。ニューヨーク時間では111円台のミドルまで上昇し、昼間の下げ分を完全委埋めた格好となった。
ともかくもマーケットは今晩のFOMCの結果待ちと、明日の日銀の会合待ちで動きにくくなっている。FOMCのほうは何も変更はないのが当たり前とされているが、年2回の利上げを行うために次の6月会合でやるための地ならしをどう打ち出してくるか。
もしも依然としてハト派色の強い声明文しか出てこなかったら、実際の利上げは大きく後にズレ込むことになり、ドル金利の先高観は減退せざるをえない。しかるにドルの全面安が一気に進むことになる。ドル円も今年の安値である107円台が唯一のサポートとしてワークするはずだが、果たしてその付近で下げ止まるかどうかは不明である。
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