ドル円の下値攻めが失敗して戻ってきた金曜日のマーケット。しかしすでに107円台にはオファーがいっぱい。それもそうだろう。雇用統計のとき以来に急落した分の、半分も埋めきれていないのだから。ますます逃げのオファーが出てくるのは仕方がない。下値も限られ、上も重いとなると、やることは限られる。
まあ、とりあえず107円台にのったところで売ってみるかなと、なるしかないのである。つまりレンジ取引に徹するのだ。106.50から107.20までと想定するのが、よさそうに思える。私も昼間から107.10でショートを作って、保持していた。
欧州序盤ではドル円が下がりだした。日本の10年ものの利回りがマイナスの0.155%まで気ロスしたことにツラレて、ドイツの長期金利も歴史的な低水準をトライしている。それが安全志向を示しているようで、マーケット全体もリスクオフ傾向が強まった。クロス円全般も小安い。
私は106.55で買い戻しのビッドを出していたのだが、この買い注文は無念だった。我慢していると、今度は107円台まで戻し切ってしまった。もったいないことをしたが、仕方がない。今度はこのまま上がるではないかを心配する番となった。
ニューヨークオープン前に何度かドル円は下げる局面に出会ったが、さっき押したところまでがせいぜい。全然、下割れするようなスピード感がない。前のステージでの安値も参考になるので、私は106.79で買い戻してしまった。つまらない30ポイントレンジだとしか見えないので、私は早々に寝入った。
後で確認すると、夜中の3時ちょっと前にイギリスの新しい世論調査が出たようで、EU離脱が55%占めているという。それがポンド急落をもたらし、リスクオフの姿勢が強まってクロス円も全滅の形となった。ユーロ円もついに120円の大台を割り込んできた。そしてイギリスの国民投票も後、2週間を割ってきた。緊張感が高まっても不思議はない。
今週は日米の金利会合がマーケットの関心事だ。どちらもノーアクションであることがコンセンサスとなっている。しかし要人発言なども交えて、もう一波乱あるかもしれない。先週末の警戒ムードは東京市場でも引き継がれ、105円台まで下落となった。
本来であれば月曜日と火曜日は様子見の姿勢が強まるものと思われるのだが、欧州以降でもそうした要人発言などの突発事項には注意だけをしておきたい。
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