先週の金曜日はアジア時間の早朝でドル円が103.37まで高値をトライした。これはイギリスのEU離脱が決定して、100円が割れた以降の最大の戻しである。開票の当日には106.80あたりまでの高値をトライしたのだが、そこまでは戻し切れていないということだ。
だがその本尊であるポンドドルやポンド円は半値戻しどころか、4分の1も戻してはしていない。BOEが金融緩和の姿勢を明確にしてしてもいるので、ポンドを買う理由に薄いということはある。
欧州序盤に入るまでにドル円は再び102円台に軟化していた。やはり103円台は重たかったのだろうか。ポンドが安いうちはリスクテークしていきにくい。目先でドル円が上がってきたとしても、それは短期筋の買い戻しをメインとするショートカバーだと思われる。
そこで私もドル円を売りスタンスで臨むことにして、売り場を探しはじめた。102.85アッパーで売りたいな、と思って相場をにらんでいた。欧州序盤で話題になったのは、長期債の上昇である。
価格の上昇は利回りの低下を意味する。ドイツ債やイギリス債が歴史的な低水準まで利回りが低下してきて、ユーロ円やポンド円の重さが目立ってきた。それと合わせて米国債も利回りが急低下。10年もので1.40%を割り込んできて、一気にストップロスも出てきた感じ。
米国債の利回りベースで1.378%まで急低下し、これは2012年の7月に付けた市場最低水準の1.377%と並ぶものであった。ここで驚くのは、やはりテクニカルのすごさである。勢いが良かっただけに、そこで止められたというのは過去の最安値であるという理由以外にはない。
その世界的な債券高の流れで、マーケットは大きくは動かないものの、リスク回避の圧力が強まった。それでドル円も102.50をも割り込んできた。私もニューヨーク時間の前半まで見守ったが、ついにドル円を102円台の後半で売ることはできずじまいだった。
今日はアメリカが休み。だからマーケットのダイナミックな動きは期待できない。今日のところは休んでおくにかぎるだろう。そして週の後半に集積している経済イベントに体力を温存するのだ。
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