昨日はアジア時間でドル円は103円台に乗せてきて、なおもマーケットのリスクテークが継続した。すでに日本政府の経済対策が10兆円規模だといわれているが、それに向けて夕方の16時半から石原大臣が会見するという。
はっきり言えば、内容はほとんど前倒しなどで埋めるものだと想定されているのだが、真水の部分をどのくらい入れ込めることができるのか。それが注目点であった。
普通に考えればわかることだが、なにか画期的な財政出動を含んでいるならば、言い換えれば市場の見込んでいない真水の部分が2兆円でもあるならば、もっと事前に公表しているはずである。しかも週末は国政選挙であった。
選挙前に明言したほうが有利なのは言うまでもない。それが選挙後になったというのは何もフレッシュなものはないのではないかと懐疑的になる。多くの部分がリニア新幹線の前倒し発注みたいなもので埋まるのではないかと考えられる。
それをマーケットに照らし合わせようとすると、やはり発表直後の失望売りだろう。私も16時半からの反転・下落を狙うことにした。しかしその16時半になるまで、ドル円もユーロ円も強いこと、強いこと。ドル円は103.60あたりまで押し目もなく上がるだけ。まったく落ちる様子がない。
ここを売っていくのだから、とても危険である。理想としては反転しはじめたのを確認してから売りこんでいくのが安心感もあるのだが、それでは売りそびれる可能性も高い。私は時間で切って臨むことに決した。16時半を過ぎた時点で売ってみた。103.55だった。
大臣が何をしゃべっているのか、テレビを見ていないからわからない。しかしドル円が下げに転じたことは確かなようだ。すぐに103.35あたりまで沈んで、それまでに短期的にたまっているであろうロングポジションを恐怖させるには十分だった。私はドル円を103.31でも売り増して、さらなる下げを期待した。
スピードも速いかもしれない。ドル円は102円台に突入したが、すぐに切り返してきた。私もポジション量を増やしていたこともあり、戻りかけた103.04で買い戻した。結果的にはもう102円台にはネバーカムバックだったので、ポジションを大きくして自分をすぐに出も買い戻したいくらいに追い詰めていたのが幸いした。
さてニューヨーク時間になってもリスクテークの流れは変わらず、ドル円は104円台乗せ。そして夜中には105円ちょうどの目前まで上昇している。米国株は今週に入って歴史的な最高値を更新している毎日だが、高過ぎて上値追いを容易にできないのか、値幅はとても小さい。積極的にリスクを取っていくには辛いレベルでもあるのだろう。
日本時間 15時40分
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