昨日の欧州序盤では、ドル円は104円台の中盤であった。アジア時間に103円台に瞬間的に突入するなど、今週になって105円台目前まで買い進んだ分のポジション調整も出ていた。しかし逆に上げも急速だったので、買い遅れ感もある。そうした連中の押し目かい意欲も強かったので、すぐに値はしっかりと戻してきたのであった。
午前中に出るものとされていた中国の貿易収支が、夕方になってから公表された。内容は決して良いものではなく、ややドル円やユーロ円の売り、つまりリスク回避を誘ったが、時間があまりにもズレていたため、特にマーケットでは大きく取り上げられなかった。それよりも大きなインパクトを与えたのは、天皇陛下の退位の話である。
夜の7時のNHKのニュースで報道されたのだが、これが瞬間的にもマーケットに混乱をきたした。日経先物もドル円も同じような反応を示したのだが、最初の1分ほどでは下げに走り、次の1分ではその下げた分の2倍以上、上がった。結局はその短い間だけの値動きだったが、まるで経済指標の発表の時のようであった。
昨日の欧州市場もそうだが、ニューヨーク市場でもリスクテークの勢いに一服感が出た。さすがに月曜日から2日連続の急上昇を演じた直後だけあって、若干の調整も必要とするところなのだろう。しかし大きな値崩れは見えず、米国株は歴史的な最高値にピタリと張り付いたままだし、ドル円、ユーロ円も今週の高値圏に位置している。
今晩はイギリスの金利会合がある。昨日はポンドもやや上げ基調が一服して、やや下げに転じたのだが、それもポンド金利の先安観を反映してのことだろう。コンセンサスとしてもBOEは0.25%の利下げが確実とされている。問題はその後である。
ゼロ金利を通り越してマイナス金利も採用するに至るまで、英金融当局は懸念しているのかどうか。カーニー総裁の会見も行われるので、その内容から今後の金融政策のありようをうらなっていくことになる。あまりにも悲観的ならば、ポンド売りは加速し、マーケット全体がリスクオフに傾くに違いない。
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