昨日は東京クローズの間際で、永久債の話が出てきた。これは先日のバーナンキとの会談で出てきたというヘリコプターマネーの話と同じようなものである。それでもマーケットは短絡的であっても反応せざるをえない。それが円の一段安をもたらした。
ドル円が105円台に乗せてきて、どこまで上がるのかを確かめる状態となった。「金融当局がなにかやってくれるのでは」というバカらしい期待が先行しすぎだ。マイナス金利と同様で、深くやろうとしたならば、もっと先にやることがはるはずだというのが容易にわかるのに、である。
ヘリコプターマネーで国民一人当たり10万円ずつでも配るのだろうか。それだったら法理論的には、まずは税金をゼロにするのが先だろう。まあ、ここはバカ話しの一環として、だまされた振りをするのも大事ではある。なにせこちらは相場で食べているのだから(苦笑)。
そういうわけで欧州序盤では、ドル円はすでに105円台の中盤に来ていた。私もドル円をロングにしては、すぐにやめる。超短期的なトレンドフォローだ。反対側に持っていかれたら、すなわちドル円が下がりだすのを我慢するのは、10ポイントも我慢しないでポジションはカットだ。それほど信頼感のないレベルなのである。
ドル円は105.93まで高値を付けて、イギリスの会合の発表となった。もう25ベーシスの利下げを織り込んでいるので、よほど面白いことでも出来しない限り、ポンド相場は動かない。BRXIT問題が出てきてからは、ポンドが一つのリスクの指標になっている。これが急落するほうがマーケットは緊迫化して面白いのだが、それは期待薄だ。
結果は利下げなしということになって、これはこれで驚いた。ポンドの上サイドのほうはまったくのノーケアだったからだ。世の中もそうだったのだろう。ポンドは急上昇し、対ドルでは250ポイント以上もぶっ飛んだ。しかし声明文の中で8月利下げすると言っているので、ポンドの激しい動きはすぐに収まった。
昨日のニューヨーク時間では円安の動きもやや調整を強いられたが、今日になってドル円は106円台にまで乗せてきた。11時に出た中国のGDPが少しだけ予想を上回ったというのが契機だが、そもそも上をやりたくて仕方がなかったというのが実情だろう。ドル円は106.30あたりまで高値をやって、その後は105円台の中盤まで押し込まれている。
今晩も円安に乗っかってトレードすべきであろう。もう一度、ドル円が106円台に戻してくるようであったら、チョウチン買いを期待してロング攻めするのが適当だろう。イギリスの国民投票で最初に戻した高値が106.80あたりである。そこが戻りの目標であるのは言うまでもない。そこを超えてくると年初から続いてきた円高のトレンドは逆転したとみなしてもよいようだ。
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